ビッグモーター 除草剤散布や街路樹伐採 自治体に説明相次ぐ

中古車販売会社「ビッグモーター」の各地の店舗前で街路樹が枯れている問題で、会社側から神奈川県内の2店舗で除草剤をまき、これとは別に川崎市内の1店舗で街路樹を伐採したという報告があったことを県などが明らかにしました。

神奈川県は、県が管理する道路に面しているビッグモーターの平塚市、藤沢市、横須賀市の3つの店舗の前で街路樹が枯れるなどしていたため、これまでに県が合わせて4本を伐採していて、店舗への聞き取りなどで除草剤が使われていないか調査を進めています。

県によりますと、今週に入りビッグモーターの本社から平塚市と藤沢市の2店舗について「内部調査の結果、除草剤の散布が判明した。原状回復についても協議させてほしい」と報告があったということです。

横須賀市の店舗は「除草剤を散布していない」と説明しているということです。

県は今後、土壌の調査を行うとともに会社側から直接、話を聞くなどして、さらに詳しいいきさつを調べることにしています。

また、川崎市によりますと、川崎店の前にあるひざ丈ほどの街路樹のツツジを伐採したと本社から報告がありました。

市によりますと、この店の前では6株のツツジが根元近くから切断されていて、本社は「原状回復したい」と伝えてきているということです。

市は、詳しい経緯を確認して警察に被害届を出す方針です。

大阪狭山市の店舗 「過去に除草剤散布」と説明

「ビッグモーター」の各地の店舗前で街路樹が枯れている問題で、大阪府が行った聞き取り調査に対し、大阪狭山市にある店舗が「過去に除草剤を散布した」と説明していることが分かりました。

「ビッグモーター」をめぐっては、全国の店舗前で街路樹や植え込みが枯れたり、伐採されたりしていることが確認されています。

大阪府が、管理している「ビッグモーター」の店舗の前の街路樹の状況を確認したところ、2つの店舗の前で、それぞれ、
▽街路樹が枯れて府が撤去していたことと、
▽街路樹がなくなっていたことが分かっています。

このため、府は、街路樹が枯れた原因や詳しい経緯などを調べていますが、府によりますと、先月30日に、2つの店舗を対象に行った聞き取り調査に対し、大阪狭山市にある店舗が「過去に除草剤を散布した」と説明していることが分かりました。

一方、もう1つの店舗は、「過去のことも含めて何も分からない」と話しているということです。

府は、今後、土壌調査の結果などを踏まえ、被害届の提出も含めて検討することにしています。

去年閉店 広島の店舗“植え込みの原状回復行う” 市に申し出

先月27日、広島市の職員が去年閉店した広島市西区のビッグモーターの店舗前の市道4か所で、市が管理する「ヒラドツツジ」の植え込みが枯れていることを確認し、その後、市がビッグモーターに説明を求めていました。

広島市によりますと、2日、ビッグモーターから全国の店舗の近くで植え込みや街路樹が枯れていることを踏まえ、「従業員が関与した可能性が高い」として、原状回復を行うと申し出があったということです。

市は申し出を受けることにしていますが、今後、警察に被害届を提出することも検討しているということです。

群馬県に連絡 “太田市の店舗前で除草剤まいて枯らした”

群馬県は、会社から太田市の店舗前で除草剤をまいて枯らしたという連絡があったことを明らかにしました。

県は今後、会社に対して、街路樹の撤去などにかかった費用の支払いや、原状回復を求めることにしています。

去年8月、太田市にあるビッグモーターの店舗前で、数百メートルにわたって、合わせて17本の街路樹が枯れているのが見つかり、群馬県は、根元の土から除草剤の成分が検出されたことから警察に被害届を出しました。

この問題で、県は2日に、ビッグモーターの本社から「社内調査の結果、除草剤を散布して枯らしたのは間違いない。復旧に向けて協議したい」と連絡があったことを明らかにしました。

県は今後、会社に対して、枯れた街路樹の撤去などにかかったおよそ400万円の費用の支払いや、原状回復を求めることにしています。

警察は、県の被害届を受理し、器物損壊の疑いで捜査しています。