学校メールでワクチン臨床試験参加募る 業者が無許可で配信

福岡県で学校の休校などを伝えるメール配信サービスによって、ワクチンの臨床試験への参加を募るメールが、100校以上の保護者に送られていたことが分かりました。教育委員会は「保護者に送る内容として不適切だった」としたうえで、今後の対応を検討することにしています。

福岡市教育委員会などによりますとメールが送られていたのは、福岡市内を中心に近隣の糸島市や春日市などの小学校合わせて130校余りの保護者です。

メールは、7月29日、休校や地域の防犯情報などを知らせる配信サービスを通じて送られ、各学校を差出人として「感染症予防ワクチン臨床試験の参加者を募集しています」という件名で、対象は5歳から11歳、通院は8回程度、1回の通院で1万5000円程度を支払うといった内容が記載されていました。

配信サービスの運営会社がスポンサー企業の依頼を受けて送ったもので、事前に学校の了承は得ていなかったということです。

学校や教育委員会には、保護者から「学校が募集しているのか」といった問い合わせが相次ぎ、各学校は31日保護者に対し「学校や教育委員会は関与しておらず、参加の推進もしていない」と説明するメールを送りました。

福岡市教育委員会は「保護者との大事な連絡手段として使ってきたツールで送る内容として不適切だった」としたうえで、運営会社と今後の対応を検討することにしています。