京王線 無差別襲撃事件 きょう判決 裁判所の判断に注目

おととし、走行中の京王線で乗客が切りつけられ、車内が放火された事件の裁判で、殺人未遂などの罪に問われている被告に7月31日、東京地方裁判所立川支部で判決が言い渡されます。電車内で起きた無差別襲撃事件について裁判所がどのような判断を示すか注目されます。

無職の服部恭太被告(26)はおととし10月、東京 調布市を走行していた京王線の車内で、当時72歳の男性をナイフで刺して大けがをさせたほか、まき散らしたライターオイルに火をつけ、乗客12人を殺害しようとしたとして、殺人未遂や放火などの罪に問われています。

裁判で被告は「交際していた女性が自分と別れて半年で結婚したことを知り、ショックだった。自殺願望を抱くようになったが死刑じゃないと死ねないので事件を起こすしかなかった」などと話していました。

争点は、12人の乗客に対する殺人未遂罪が成立するかどうかで、検察は「乗客を焼き殺す意思があった」としたうえで、「走行時間が長く逃げることができない特急電車を選んで計画的に犯行に及んだ」として懲役25年を求刑しています。

これに対し弁護側は「ライターを投げた時点で乗客は危険な場所から逃げているか、逃げていなくても死亡する危険性はなかった」として放火に伴う殺人未遂罪は成立せず、懲役12年程度が相当だと主張しています。

この事件の2か月前には、小田急線でも走行中に乗客が刃物で切りつけられる事件が起きていて、都内で相次いだ電車内での無差別襲撃事件は社会に大きな衝撃を与えました。

判決は31日午後3時に東京地方裁判所立川支部で言い渡されます。