ロシア紙“米元高官がロシア高官と協議” 米政府は関与を否定

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が長期化するなか、アメリカ政府の元高官らがモスクワを訪れるなどしてロシア大統領府の高官と協議を行っているとロシアメディアが伝えました。アメリカ政府は、関与を否定しています。

ロシアの英字紙「モスクワ・タイムズ」は27日、アメリカ政府で安全保障を担当していた元高官らが、ロシア大統領府の複数の高官と少なくとも月に2回、オンライン形式などで協議を行い、3か月に1度はモスクワを訪問していると伝えました。

この元高官は、「ヨーロッパの安全保障の面でロシアをより創造的な役割を果たす国に戻しながら、ウクライナの独立を保証する方法を探りたい」と述べ、協議の目的は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が長期化するなか、事態打開の糸口を探ることだとしています。

また、元高官は「ロシアは、併合しているクリミアを失ってしまうと考えれば、ほぼ間違いなく戦術核兵器の使用に頼るだろう」としています。

こうした協議については今月、アメリカのNBCテレビも伝えていて、
▽アメリカ側は、元国防次官補など、安全保障を担当していた元高官らが、
▽ロシア側は、シンクタンクの関係者など、ロシア政府に近い人物らが
参加したとしています。

「モスクワ・タイムズ」の報道を受けてホワイトハウスのNSC=国家安全保障会議のワトソン報道官は27日「裏の対話ルートを設けることは求めていない」として政府の関与を否定しています。