ゼレンスキー大統領 前線で兵士を激励 士気高めるねらいか

ウクライナのゼレンスキー大統領は、激しい戦闘が続く東部のバフムト方面を訪問し、兵士たちを激励しました。反転攻勢を進めるウクライナ軍の苦戦も指摘されるなか、みずから前線を訪れることで、兵士たちの士気を高めるねらいがあるとみられます。

ゼレンスキー大統領は29日、東部ドネツク州の拠点、バフムト方面を訪問したことを明らかにしました。

SNSに投稿された動画では、大統領が兵士一人一人に声をかけて表彰するなど、激励する様子が写されています。

今回はとくに特殊部隊の兵士らを激励するために訪問したということで、ゼレンスキー大統領はその後投稿した動画で「特殊部隊はいつでも前線の最も厳しい地域にいてくれる」とたたえました。

先月始まったウクライナ軍による反転攻勢を巡っては、アメリカのCNNテレビが29日、シンクタンク「戦争研究所」の研究員の話などを引用したうえで「ロシアの厚い防衛を突破する努力をしているものの南部で始まった反撃の勢いを増すのに苦労している」と伝えています。

ウクライナ軍の苦戦も指摘されるなか、ゼレンスキー大統領としてはみずから前線を訪れることで兵士たちの士気を高めるねらいがあるとみられます。

一方、南部オデーサ市によりますと、ロシア軍の大規模な攻撃による文化財などの被害状況を確認するためユネスコ=国連教育科学文化機関の調査団が29日、現地入りし、世界遺産に登録された「歴史地区」にある大聖堂などの状況を調べるとしています。