北朝鮮 軍事パレード実施をきょう国営メディアで発表か

韓国メディアは、北朝鮮が27日夜、朝鮮戦争の休戦70年にあわせて軍事パレードを行ったと伝えました。北朝鮮は28日、国営メディアを通じて発表するとみられ、後ろ盾の中国とロシアの代表団が見守る中で新型兵器が登場したのかや、キム・ジョンウン(金正恩)総書記が演説してアメリカなどにメッセージを打ち出したのかが注目されます。

韓国の通信社、連合ニュースによりますと、北朝鮮が「戦勝記念日」と位置づける、朝鮮戦争の休戦協定の締結から70年となったのにあわせて、首都ピョンヤン中心部の広場では27日夜8時ごろから記念式典が始まり、その後、軍事パレードが行われたということです。

北朝鮮による軍事パレードはことし2月以来で、2020年10月以降、5回連続で夜間に実施されたことになります。

これに先だって、国営の朝鮮中央テレビは、キム・ジョンウン総書記がロシアのショイグ国防相とともに「武装装備展示会」の会場を訪れた際の映像を放送し、今月12日に2回目の発射実験が行われた固体燃料式の新型ICBM=大陸間弾道ミサイル級の「火星18型」や、新たに開発されたとみられる大型の無人機などが映し出されました。

北朝鮮は28日、国営メディアを通じて、軍事パレードの実施を写真や映像とともに発表するとみられ、後ろ盾の中国とロシアの代表団が見守る中で新型兵器が登場したのかや、キム総書記が演説してアメリカなどにメッセージを打ち出したのかが注目されます。

プーチン大統領が北朝鮮にメッセージ 連携強化の意向強調

ロシア大統領府は27日、北朝鮮に向けたプーチン大統領のメッセージを発表しました。

この中でプーチン大統領は、キム・ジョンウン総書記に対して「戦勝70年を心からお祝いする」とした上で「現代の脅威と挑戦に直面する中で、友好、善隣、相互扶助の輝かしい伝統を守り高めていくことは、とりわけ重要だ」とアピールしました。

そして「ウクライナにおける特別軍事作戦を北朝鮮が強く支持し、重要な国際問題でロシアと連帯していることは、西側の政策に反対するという、共通の利益と覚悟をいっそう際立たせている」として、ウクライナへの軍事侵攻をめぐって、対立を深める欧米に対抗するため北朝鮮との連携を強化する意向を強調しました。

過去の大規模な軍事パレード

北朝鮮は、朝鮮労働党や軍の記念日などにあわせて、キム・ジョンウン総書記の出席のもと、首都ピョンヤン中心部の広場で大規模な軍事パレードを行い、みずからの軍事力を誇示してきました。

2020年10月の党創立75年にあわせて行われた軍事パレードでは、北朝鮮で最大の片側11輪の移動式発射台に搭載されアメリカ全土を射程におさめるとされる液体燃料式のICBM=大陸間弾道ミサイル級の「火星17型」を初めて公開しました。

また、その際「北極星4」と記されたミサイルが、続いておととし1月の軍事パレードでは「北極星5」と記されたミサイルが、それぞれ公開され、新型のSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルとみられていました。

さらに、軍の創設から75年となったことし2月の軍事パレードでは「火星17型」が10基以上登場したほか、片側9輪の移動式発射台に搭載され液体燃料式よりも迅速に発射できる固体燃料式の新型のICBM級の「火星18型」が初めて公開されました。

一方、2020年以降の軍事パレードはいずれも夜に会場をライトアップする形で行われていて、前回はキム総書記が初めて娘を伴って出席していました。