大谷翔平 注目の去就“エンジェルスはトレードしない”米報道

大リーグのトレード期限が迫る中、去就が注目されているエンジェルスの大谷翔平選手について、アメリカの複数のメディアが26日、「今回の期限までにエンジェルスが大谷選手をトレードしないことを決めた」と伝えました。

大リーグでは例年、夏のトレード期限を前に、下位に低迷するチームが上位進出をねらうチームへ主力をトレードするかわりに若手の有望株の選手を獲得して再建を目指すケースが多くあります。

現在、プレーオフ進出圏外にいるエンジェルスについては、これまで各メディアで大谷選手をトレードに出す可能性を伝えていました。

そのトレード期限がアメリカ東部時間、来月1日の午後6時、日本時間2日の午前7時と迫る中、アメリカの月刊誌「スポーツ・イラストレイテッド」は26日、オンライン版の記事で「エンジェルスはこの2日間協議した結果、大谷翔平をトレード市場から外して保持し続けることを決めた」と報じました。

同様のニュースをアメリカ最大のスポーツ専門チャンネル、ESPNや、FOXニュースなど大手メディアも相次いで報じています。

さらにスポーツ・イラストレイテッドは、けが人が相次いでいるエンジェルスが「トレード市場では買い手に回って先発やリリーフ投手を獲得する方針だ」と伝え、2014年以来となるプレーオフ進出に向けて戦力を補強するとしています。

プレーオフに向けては大谷選手も21日の試合後に「このチームでプレーオフに行きたい、そこで勝ちたいという気持ちは変わらない」と話していました。

一方で大谷選手の契約に関しては今シーズンでエンジェルスとの1年契約が終了し、オフにはFA=フリーエージェントとなることから、記録的な金額の獲得競争が起きると予想されていて、ESPNは「総額で少なくとも5億ドル、日本円でおよそ700億円相当の契約が期待されている」と伝えています。

期限を6日残し決断 背景は

大谷選手の去就に関する報道は昨シーズン、トレード期限前日まで続きましたが、ことしは期限まで6日を残してエンジェルスが「トレードしない」決断をしたと報じられました。

昨シーズンのこの時期、エンジェルスはすでに負け越しが「15」に達するなどプレーオフ進出争いからは事実上脱落していました。

抑え投手のイグレシアス投手や、先発ローテーションのシンダーガード投手、外野のレギュラーポジションをつかんでいたマーシュ選手など、主力の選手を次々とプレーオフ進出圏内のチームにトレードしました。

一方、今シーズンはここまで52勝49敗と勝ち越していて、地区首位のレンジャーズには7ゲーム差をつけられていますが、各地区の2位以下で勝率の高い上位3チームがプレーオフに進むワイルドカード争いでは進出圏内まで4ゲームと十分にねらえる位置につけています。

これについて、スポーツ・イラストレイテッドは「アストロズに敗れて負け越し「2」となった7月16日まで、エンジェルスは売り手になるか揺らいでいて、各チームは大谷についての電話をかけ始めた。ただエンジェルスはその後の7試合で6勝し、再びプレーオフ争いに浮上してきた」と伝え、プレーオフ争いに踏みとどまっていることがチームの決断の背景にあると指摘しました。