国連安保理の緊急会合 欧米各国がロシア非難もロシアは反発

ウクライナ情勢をめぐって国連の安全保障理事会で緊急会合が開かれ、欧米各国はロシアがウクライナ南部に攻撃を繰り返していることを強く非難したのに対し、ロシアは会合での発言を拒否して参加しませんでした。

ロシアは、ウクライナ産農産物の輸出をめぐる合意の履行を停止して以降、農産物の積み出し港があるウクライナ南部オデーサ州などでミサイルや無人機による攻撃を繰り返していて、ユネスコの世界遺産に登録された歴史地区の大聖堂にも被害が出ました。

26日、国連安保理でウクライナの要請に基づいて開かれた緊急会合では、欧米各国からロシアを非難する意見が相次ぎ、このうちアメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は「世界は、ロシアの野蛮な攻撃の代償を払っている。ただ1国だけが食料を武器として使っている」と述べたほか、日本の志野国連次席大使も市民や文化遺産への攻撃は断じて容認できないと非難しました。

一方、ロシアのポリャンスキー国連次席大使は、ロシアが要請して直前に行われた会合での議長国イギリスの議事運営が不平等だなどと反発し、ウクライナが要請した会合には参加しませんでした。

議場の外でポリャンスキー国連次席大使は記者団に対して「非常に恥ずべき事態だ。議長国イギリスへの抗議として会合で発言しないことに決めた」と述べて立ち去りました。