ウクライナ南部へ大規模攻撃 世界遺産の大聖堂などに被害

ロシア軍はウクライナ南部オデーサへ大規模な攻撃を行い、ユネスコの世界遺産に登録された歴史地区の大聖堂などに被害が出ています。

ロシア軍は、23日にかけてウクライナ南部のオデーサ州へ大規模な攻撃を行い、警察当局によりますと市民1人が死亡、20人以上がけがをしました。

地元のメディアなどによりますと、オデーサ中心部では多数の建物が被害を受け、ユネスコの世界遺産に登録された「歴史地区」にある正教会の大聖堂も大きな被害を受けました。

ユネスコ=国連教育科学文化機関のアズレ事務局長は声明を発表し「この非道な破壊行為は、ウクライナの文化遺産に対する暴力が激化していることを意味する」とロシアを強く非難しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領も犠牲になった市民に哀悼の意を示すとともに「ロシアはより多く破壊しようと異なる種類の19発のミサイルを発射した」と述べ、非難しました。

こうした中、アメリカのブリンケン国務長官は、23日に放送されたCNNテレビのインタビューで、ウクライナ軍が領土奪還に向け進める反転攻勢について「ウクライナはこれまでにロシアに奪われた領土のおよそ50%を取り戻している」と主張しました。

その一方で、「ロシア軍は強力な防衛線を築いており、ウクライナ軍は、いま非常に厳しい戦いに直面している。1週間や2週間ではなく、数か月はかかるだろう」と述べて、反転攻勢が今後も続くという見通しを示しました。