大相撲名古屋場所 歴代最速と最遅の三賞受賞 錦木が殊勲賞

大相撲名古屋場所は三賞選考委員会が開かれ、新入幕の19歳、伯桜鵬が敢闘賞と技能賞を、横綱 照ノ富士などを破った32歳の錦木が殊勲賞を受賞しました。ともに初めての三賞受賞で、初土俵から4場所目の伯桜鵬は歴代で最も早く、初土俵から103場所目の錦木は最も遅い記録となりました。

名古屋場所の三賞選考委員会は千秋楽の23日、名古屋市内で行われ、新入幕の19歳、伯桜鵬が敢闘賞と技能賞に選ばれました。

伯桜鵬は11勝4敗の成績でふた桁勝利をあげたことに加え、得意の左四つの型が評価されました。初土俵から4場所目での三賞の初受賞は歴代で最も早い記録で、10代での初受賞は歴代7人目です。

また、殊勲賞には32歳の錦木が選ばれました。

錦木は2日目に4年ぶりの金星を横綱照ノ富士から挙げたほか、大関昇進に挑む豊昇龍、大栄翔、若元春の3人の関脇を破り、前半戦を引っ張ったことが評価されました。錦木は初土俵から103場所目で三賞を初めて受賞することになり、歴代で最も遅い記録となりました。

同じく優勝争いに加わった北勝富士も、初めて敢闘賞を受賞することになりました。

このほか、初優勝を果たし、大関昇進を確実にした関脇・豊昇龍、11勝4敗の成績を残した小結・琴ノ若、それに豪ノ山と湘南乃海のふた桁勝利をあげた新入幕の2人も敢闘賞に選ばれました。1場所で延べ8人が三賞に選ばれるのは歴代最多です。

伯桜鵬「取組を評価していただけた」

伯桜鵬は新入幕で11勝4敗と好成績を残し三賞を2つ獲得したことについて、「15日間の取組を評価していただけたのはうれしい」と話していました。

関脇・豊昇龍と3敗どうしの一番で敗れたことについては、「豊昇龍関が自分よりも強いということで、それが結果だ。悔しいという思い、それしかない」と唇をかみしめるように話していました。

錦木「三賞を取れたのはうれしい」

錦木は初めての三賞となる殊勲賞を受賞し、「三賞を取れたのはうれしい」としたうえで「前半がよかったが後半はぼろぼろだった。最後は勝ちたかったが残念だった」と終盤戦の4連敗を悔やみました。

錦木は今場所、東の前頭筆頭で10勝5敗と勝ち越し、新三役昇進に大きく前進していて「届いたら新三役で頑張りたい」と意気込みを話しました。

小結・琴ノ若と新入幕の豪ノ山・湘南乃海は

小結・琴ノ若は三役で初めてふた桁勝利を挙げておよそ1年ぶりに敢闘賞を受賞し、「いい内容でしっかり終われたのでよかった。落とした相撲もあってもったいなかったのでしっかり修正していきたい」と話していました。そして、関脇・豊昇龍が大関昇進を確実にしたことについて「正直悔しいし、自分もできるという気持ちでやっていきたい」と話していました。

新入幕の場所で敢闘賞を受賞した豪ノ山は「連敗してよくない部分もあった。しっかりそういうところを直していってもっと勝てるように頑張りたい」と話しました。その上で「新入幕に強い力士も多いので負けないようにしっかり頑張りたい」とライバル心をのぞかせていました。

同じく新入幕で敢闘賞を受賞した湘南乃海は「本当にうれしい。いろいろな欲を抑えて自分の相撲を取りきる、集中してやるということを意識した。地元の人たちにはすごく応援してもらっている。恩をこれから返していく」と話していました。