兵庫 明石 歩道橋事故から22年 新人の市職員に教訓伝える研修

兵庫県明石市の歩道橋で、花火大会の見物に訪れた子どもなど11人が死亡した事故から、21日で22年です。花火大会を主催した明石市は、再発を防ごうと、新人職員を対象に教訓を伝える研修会を開きました。

平成13年の7月21日、明石市の歩道橋で、花火大会の見物に訪れた人たちが混雑の中、折り重なるように倒れ、幼い子ども9人を含む11人が死亡し、およそ250人がけがをしました。

花火大会を主催した明石市は、教訓を伝え再発を防ごうと、10年前から毎年、若手職員を対象に研修を行っていて、21日は、ことし入庁した60人が参加して、事故の状況を聞いたあと、現場の歩道橋を訪れました。

当時2歳だった次男の智仁ちゃんを亡くした下村誠治さんが「このあたりで11人が亡くなりました。市民の訴えに耳を傾け『1人でも救える命があれば』という思いを持って仕事をしてほしい」と呼びかけ、職員たちは慰霊碑の前で黙とうをささげました。

下村さんは「次男と同じ世代の人たちが職員になり、真剣に話を聞いてくれました。安心・安全な社会に向けて少しでも対応を進めてくれることを期待しています」と話していました。

参加した職員の加來夏帆さんは「事故の前には市民から『危険だ』という声が寄せられていたことを知りました。日々の業務で市民の皆さんと接する中で、小さなサインも見逃さないようにしたい」と話していました。