ウクライナ 米供与のクラスター爆弾使用か ロシアの反発も予想

ロシア軍は連日、ウクライナの農産物の積み出し港がある南部を攻撃するなどしていて、黒海周辺では緊張が高まっています。一方、ウクライナ軍はアメリカから供与された殺傷能力の高いクラスター爆弾を使用し始めたと見られ、ロシア側が反発を強めることも予想されます。

ロシア軍は、20日もウクライナ南部オデーサ州やミコライウへの攻撃を行うなど、ウクライナの農産物の積み出し港がある黒海に面するウクライナ南部への攻撃を強めています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、20日の声明で「ロシアのテロリストはわずか4日間で、ミサイル70発近く、イラン製無人機90機近くを南部の地域で使用した」と述べ強く非難しました。

また、ロシアはウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行停止を発表したのに続いて、黒海でウクライナに向かう船舶を軍事物資を輸送している可能性があるとみなすと警告し、これにウクライナ側も対抗措置を発表するなど緊張が高まっています。

ウクライナの国家安全保障・国防会議のダニロフ書記は19日、農産物の輸出を続けるために人道的な護送船団の創設を提案したことを明らかにし、国連などに協力を求めていく考えを示しました。

一方、アメリカ ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は20日、記者団に対し、バイデン政権が供与した殺傷能力の高いクラスター爆弾について、ウクライナ軍が使用を始めたことを明らかにしました。

クラスター爆弾について、ロシアのプーチン大統領は16日「もし、われわれに対して使用された場合、同様の対応をとる権利がある」とけん制していて、今後ロシア側が反発を強めることも予想されます。