RSウイルス感染症で入院する子供急増 通常医療の影響懸念 東京

子供の感染症が多い状況が続く中、小児医療の中核を担う東京都内の病院では「RSウイルス感染症」で入院する子供が急増していて、手術や入院など通常の医療への影響が懸念される状況になっています。

「RSウイルス感染症」は熱やせきなどかぜのような症状が出る病気で、幼い子供が初めて感染すると肺炎や気管支炎を起こして重症化することがあります。

秋から冬にかけて流行しやすいとされていますが、ことしは5月ごろから感染者が増え始め、国立感染症研究所によりますと、7月2日までの1週間に全国およそ3000の小児科の医療機関から報告された患者は9981人となっています。

東京 世田谷区にある小児医療が専門の国立成育医療研究センターでは、5月下旬からRSウイルス感染症で入院する子供が増え始め、7月9日以降は50人前後と非常に多い状態が続いているということです。

このうち、およそ半数が1歳未満で、重症化しやすいとされる生後3か月までの子供も2割程度いるということです。

RSウイルス以外にも、新型コロナウイルスやヒトメタニューモウイルスなどで入院している子供もいるため、病床はひっ迫しているということで、このままの状況が続けば、夏休みにあわせて予定している手術や検査のための入院に影響が出るおそれがあるということです。

国立成育医療研究センター感染症科の大宜見力診療部長は「おそらく同じような状況はほかの病院でも起きていて、このままでは通常の医療ができなくなってしまう。小さい年齢でかかるほど重くなる感染症も多いので、マスクや手洗いなど家庭での感染対策を徹底してほしい」と話しています。