強化試合は、14日夜、仙台市のユアテックスタジアム仙台で行われ、世界ランキング11位の日本は女子ワールドカップに出場を決めている世界52位のパナマと対戦しました。
なでしこジャパン パナマに快勝 ワールドカップへ弾み
サッカー女子の日本代表「なでしこジャパン」は、7月20日に開幕する女子のワールドカップに向けた最後の強化試合でパナマと対戦し、5対0で快勝しました。
【NHK特設サイト】サッカー女子ワールドカップ2023
得点力が課題の日本は前半、司令塔の長谷川唯選手が効果的なパスを出して攻撃のリズムを作り、33分には、長谷川選手からのロングパスを受けた清水梨紗選手がサイドからゴールキーパーの頭上を狙う絶妙のシュートで先制点を奪いました。
さらに4分後には、37分には、長谷川選手が相手の守備陣の背後にうまく抜け出して冷静にシュートを決め、2対0とリードを広げました。
日本は後半も攻め続け、期待の若手、19歳の藤野あおば選手の代表初ゴールや長谷川選手のこの試合2得点目などでさらに得点を重ねて5対0で勝ち、大会へ弾みをつけました。
試合後のセレモニーで池田太監督は「気持ちのこもったプレーでひたむきに戦っていきます。優勝という大きな目標に向け、全身全霊で戦ってきます」と意気込みを話しました。
女子W杯 日程は?
サッカー女子のワールドカップは今月20日からニュージーランドとオーストラリアで開かれ、日本は1次リーグで
▽22日に世界77位のザンビア
▽26日に世界36位のコスタリカ
▽31日に世界6位のスペインと対戦します。
NHKでは、日本のすべての試合を中継することにしています。
【NHK放送予定】サッカー女子ワールドカップ2023
熊谷紗希 主将「責任と誇りを持って戦ってくる」
キャプテンの熊谷紗希選手は試合後のセレモニーであいさつし「日本代表として責任と誇りを持って戦ってきます。サッカーをしている女の子たちの目指す場所になるように精いっぱい世界で戦ってきます」と決意を話しました。
清水梨紗「ループシュート狙っていた」
先制点を決めた清水梨紗選手は「ループシュートは狙っていた。走ったらボールが来ると思っていたらいいパスがきたのでゴールに蹴り込むだけだった」と話しました。その上でスタジアムのサポーターに向けて「たくさんの応援ありがとうございました。ニュージーランドで待っています」と呼びかけていました。
長谷川唯「見ている人の心を動かすようなプレーを」
2得点1アシストと活躍した司令塔の長谷川唯選手は「最近は得点を取れておらず、課題に挙げていたが、ゴールを決められて本当によかった。試合の立ち上がりはボールの奪いどころが決まらなかったが、試合の中で修正できた。テレビ放送も決まってたくさんの人に見てもらえると思うので、見ている人の心を動かすようなプレーをしたい」と話していました。
藤野あおば「ワールドカップでは勝負にこだわる」
日本代表で初ゴールを決めた藤野あおば選手は「クロスボールを受ける瞬間にゴールが見えた。ずっと求めてきたものがゴールだったので、決まった瞬間うれしかった。ワールドカップでは1試合1試合、勝負にこだわって、得点で貢献できるように頑張りたい」と話していました。
“積極的な守備” 貫く
ワールドカップに向けた最後の強化試合を快勝した「なでしこジャパン」。
池田太監督が目指す“アグレッシブなサッカー”を体現し、本番に期待を抱かせました。
この試合で5点を奪った日本。
課題の得点力不足解消に光が見えた以上に収穫だったのが池田監督のもとおよそ2年間磨いてきた“積極的な守備”を貫けたことです。
立ち上がりこそ、相手がボールを保持する時間もありましたが、ピッチ上の選手たちが話し合ってボールの“奪いどころ”を修正しました。
前半15分ごろからは、田中美南選手や藤野あおば選手など前線の選手たちが連動して相手のディフェンダーやゴールキーパーを追いかけ回しプレッシャーをかけ続けました。
パナマは徐々に攻め手をなくし、前線にボールを蹴り出す場面が増えていきました。
ロングボール主体になった相手の単調な攻めに対して熊谷紗希選手を中心とした守備陣がしっかりと対応し、相手に1本のシュートも許しませんでした。
パナマ代表のイグナシオ・キンタナ監督は「高い位置でプレッシャーをかけてきて、それが私たちのミスを誘い日本の爆発的な攻撃につながった」と話していました。
理想とする高い位置でボールを奪う形からの得点こそ生まれませんでしたが、チームが目指す“アグレッシブなサッカー”を選手たちが体現してのゴールラッシュ。
本番での世界ランキング上位の強豪との戦いにも期待を抱かせました。
なでしこ復権なるか、チームは15日、ワールドカップを戦うニュージーランドに向けて出発します。