新型コロナ 全国の感染状況 45都道府県で前週比増加

新型コロナウイルスの全国の感染状況は、今月9日までの1週間では1つの医療機関当たりの平均の患者数が9.14人で、前の週の1.26倍となっています。45の都道府県で前の週より増加していて厚生労働省は「特に九州や中国、四国では前の週より増加幅が大きい県が多く、引き続き感染状況を注視したい」としています。

厚生労働省によりますと今月9日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から9361人増えて4万5108人となりました。

また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は9.14人で前の週の1.26倍となりました。

前の週から増加が続くのは14週連続となります。

今月8日で、新型コロナの感染症法上の位置づけが「5類」に移行して2か月がたちましたが、今回発表された今月9日までの1週間と、5類移行直後の5月14日までの1週間を比べると3.48倍となりました。

都道府県別では、多い順に
▽沖縄県が41.67人
▽鹿児島県が17.18人
▽宮崎県が16.0人
▽佐賀県が15.33人
▽熊本県が11.99人などとなっていて、
45の都道府県で前の週より増加しています。

このほか、今月9日までの1週間に新たに入院した人は全国で6096人で、前の週と比べて602人の増加となりました。

厚生労働省は全国の流行状況について「全国的に緩やかな増加傾向が続き、特に九州や中国、四国では前の週より増加幅が大きい県が多く、また沖縄県では前の週よりは減少したものの依然として高い水準が続いている。引き続き感染状況を注視したい」としています。

また、夏の間に一定の感染拡大が生じた場合、医療体制がひっ迫する恐れがあるとして、厚生労働省は今夜、都道府県に対して▼患者の入院先を決める際に重症者を優先させることや、▼患者の症状に応じた医療機関ごとの役割分担などについて、地域の医療機関や高齢者施設などの間で確認しておくよう通知しました。

【1医療機関当たりの平均患者数】

▽沖縄県は41.67人
▽鹿児島県は17.18人
▽宮崎県は16.0人
▽佐賀県は15.33人
▽熊本県は11.99人
▽鳥取県は11.97人
▽三重県は11.81人
▽大分県は11.76人
▽長崎県は11.5人
▽愛知県は11.46人

▽千葉県は11.0人
▽愛媛県は11.0人
▽岐阜県は10.95人
▽福岡県は10.85人
▽奈良県は10.53人
▽和歌山県は10.20人
▽香川県は9.87人
▽広島県は9.46人
▽石川県は9.23人
▽高知県は9.20人

▽滋賀県は9.05人
▽埼玉県は8.87人
▽山口県は8.75人
▽山梨県は8.71人
▽兵庫県は8.36人
▽京都府は8.32人
▽静岡県は8.12人
▽徳島県は7.92人
▽茨城県は7.9人
▽大阪府は7.87人

▽宮城県は7.87人
▽東京都は7.58人
▽長野県は7.57人
▽神奈川県は7.38人
▽岡山県は7.36人
▽新潟県は6.88人
▽島根県は6.79人
▽北海道は6.73人
▽岩手県は6.73人
▽福島県は6.62人

▽栃木県は6.03人
▽山形県は5.53人
▽群馬県は5.23人
▽福井県は5.15人
▽秋田県は4.87人
▽富山県は4.58人
▽青森県は4.35人

専門家「8月にかけ感染拡大のリスク高まる」

新型コロナウイルス対策にあたる政府分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「深刻な状況となっていた沖縄では少しピークアウトした様子が見られるが、感染者の数は依然として高いレベルが続いている。全国でも感染者の増加が続き、西日本を中心にはっきりとした増加傾向が見られる地域も増えていて、8月にかけて沖縄のような感染拡大が起きるリスクが高まっている」と指摘しました。

そのうえで「これから夏休みに入り、特にお盆の時期にはふだん会わない人との接触の機会が増えたり、暑さで換気が徹底できなかったりするため、感染が拡大しやすい時期が続く。私たちの周りにウイルスが潜んでいることを思い出してもらって、できる範囲で基本的な感染対策をとってもらうことが大事だ」と話しています。