国連安保理 北朝鮮ミサイル発射で緊急会合 北朝鮮も出席

北朝鮮が12日、ICBM=大陸間弾道ミサイル級のミサイルを発射したことについて、国連の安全保障理事会で緊急会合が開かれました。日本や欧米などは北朝鮮が安保理決議に違反し続けていると非難しましたが、およそ6年ぶりに安保理会合に出席した北朝鮮の国連大使は、緊張を高めているのはアメリカ側だなどと反論しました。

国連安保理の緊急会合は、13日午後、日本時間の14日朝開かれ、関係国として北朝鮮のキム・ソン国連大使も、出席しました。

北朝鮮をめぐる安保理の会合に北朝鮮の代表が出席するのは、2017年12月以来です。

会合では各国から、ミサイルの発射は安保理の決議違反だとして北朝鮮を非難する意見が相次ぎ、このうち日本の志野国連次席大使は「北朝鮮は安保理の沈黙を最大限利用しながら違法な大量破壊兵器の開発を進めている」と述べ、北朝鮮を擁護する中国やロシアも非難しました。

また、アメリカのデローレンティス国連次席大使代理は「安保理は違法な弾道ミサイル開発を進める北朝鮮と対じする使命と責任がある」と述べ、安保理が一致して対応すべきだと改めて呼びかけました。

これに対して、北朝鮮のキム国連大使は「アメリカとそれに追随する国々による軍事的挑発はかつてなく大きい。朝鮮半島は冷戦期以上の核の危機に直面している」と述べ、ミサイルの発射はあくまで自衛権の行使だなどと従来の主張を繰り返しました。

また中国の張軍国連大使も、朝鮮半島周辺でアメリカと韓国が合同で軍事演習を行うなど緊張を高めていると非難し、北朝鮮を擁護する姿勢を改めて示しました。

中国と北朝鮮の国連大使が立ち話

会合のあと安保理の議場では、中国の張軍国連大使が北朝鮮のキム・ソン国連大使を呼び止めて、2人が立ち話をする姿が見られました。

身ぶり手ぶりを交えて話す張大使に対して、キム大使は時折笑みを浮かべながらうなずいたり相づちを打ったりして、親しげな様子で話し込んでいました。