プーチン大統領 ウクライナや欧米側をけん制

ロシアのプーチン大統領は、ウクライナが目指すNATO=北大西洋条約機構への加盟によって「ウクライナは安全保障が強化されることはなく、国際社会にさらなる緊張を生み出すことになる」などと強調し、反転攻勢を続けるウクライナや、それを支援する欧米側をけん制しました。

ロシアのプーチン大統領は13日、首都モスクワで行われたフォーラムに出席したあと、国営テレビに対し「ウクライナのNATOへの加盟は、ロシアにとって脅威となる。ウクライナにとって安全保障が強化されることはなく、世界がぜい弱になり、国際社会にさらなる緊張を生み出すことになる」と強調しました。

そのうえで、11日から開かれたNATOの首脳会議でG7=主要7か国がウクライナを守るための長期的な支援を行う方針を表明したことなどに対し「NATOとG7で宣言されたことは、何も珍しくはない。われわれは反対しないが、繰り返すがロシアの安全が確保されることが必須の条件だ」と述べ、ウクライナや欧米側をけん制しました。

また「われわれは311両の戦車を破壊し、その3分の1以上がドイツ製の戦車レオパルトなど欧米製だ。新たな兵器を供与しても何の役にも立たずウクライナの状況を悪化させ紛争をあおるだけだ」と述べ、対決姿勢を鮮明にしました。

一方、ウクライナ産の農産物の輸出をめぐるロシアとウクライナの合意の期限が来週17日に迫っていますが、ロシア側は自国産の農産物や肥料の輸出が欧米側の制裁措置などで滞っていると主張し、合意を延長しない構えを示しています。

これについてプーチン大統領は「まだ数日あるので何をすべきか考えていく。選択肢の1つとしてわれわれは合意への参加を一時的に停止できる。すべての約束が果たされるのであれば、直ちに合意に参加するつもりだ」と強調しました。

合意の延長に向けては、ロシア外務省が13日、ロシア側が仲介役のトルコと国連とそれぞれ電話での会談を行ったと発表していて、ロシアの出方が焦点となっています。