小田急線刺傷事件 被告にきょう判決 殺人未遂などの罪

おととし、走行中の小田急線の車内で複数の乗客が切りつけられて、けがをした事件で、乗客3人に対する殺人未遂などの罪に問われている被告に、14日、東京地方裁判所で判決が言い渡されます。社会を震かんさせた電車内での無差別襲撃事件について、裁判所がどのような判断を示すか注目されます。

おととし8月、東京 世田谷区を走行していた小田急線の車内で、複数の乗客が刃物で切りつけられるなどして重軽傷を負った事件では、無職の對馬悠介被告(37)が、当時20歳の女子大学生などを刺して大けがを負わせたとして、乗客3人に対する殺人未遂や窃盗などの罪に問われています。

これまでの裁判で、被告は起訴された内容を認めたうえで、「仕事を転々とする中で、周囲の人は幸せで自分だけが不幸で貧乏くじを引いていると感じ、劣等感が人々への憎しみに変わった。自分勝手な怒りによって事件を引き起こしたことを罪深いと思っている」と証言しました。

検察が「電車内という密室で行われた過去に類を見ない無差別事件だ」として、懲役20年を求刑したのに対し、弁護側は「大量殺人を妄想していたが、実行するつもりはなく、計画性はなかった」として、懲役15年が相当だと主張しています。

閉ざされた電車内で起きた無差別襲撃事件は、社会に衝撃を与え、国や鉄道会社が新たな安全対策を迫られる事態になりました。

判決は東京地方裁判所で午後3時に言い渡されます。