【大雨被害状況】富山 南砺 行方不明の市議 遺体見つかる

13日未明、富山県南砺市の山あいの集落で空き家とみられる建物が土砂崩れに巻き込まれ、現場から65歳の市議会議員の男性が遺体で見つかりました。
男性は大雨の中、地域の住民に避難を促していたとみられ、土砂崩れのあと行方がわからなくなっていたことから、警察や消防などが捜索していました。

遺体で見つかったのは南砺市議会議員で南砺市高窪の赤池伸彦さん(65)です。

警察によりますと、13日午前2時すぎ、大雨の影響で南砺市砂子谷で発生した土砂崩れの現場に警察官が駆けつけたところ、付近にいた住民から「赤池さんの姿が見えなくなった」と連絡がありました。

このため、警察や消防などが土砂崩れで倒壊した空き家とみられる建物の周辺で土砂を撤去するなどして捜索を続けてきましたが、13日午後1時10分ごろ、近くの川ののり面と崩れた屋根の間で1人の遺体が見つかり、警察によって赤池さんと確認されました。

砂子谷地区の自治会長によりますと、赤池さんは大雨の中、自治会長とともに避難できていない住民に声かけを行っていたということです。

市長「彼は地域のリーダー まさかこんなことに」

南砺市の田中幹夫市長は土砂崩れの現場を訪れた際、記者団に対し、「まだ受け止められないです。彼はこの地域のリーダーとして責任感があり、最後の最後まで1人1人確認をしながら避難させるつもりでいたと思います。まさかこんなことになるとは思わず残念です」と話していました。

《富山》

小矢部 宮島地区 孤立状態が解消

富山県高岡土木センター小矢部土木事務所によりますと、小矢部市の宮島地区は土砂崩れの影響で県道などが通れなくなり、41世帯101人が孤立状態になっていましたが、倒木や倒壊した電柱などを取り除く作業を進めた結果、13日午後5時から県道の通行が可能になり、すべての世帯で孤立状態が解消されたということです。

また、小矢部市によりますと、この地区の住民全員の無事が確認されているということです。

高岡 博労地区 住宅の浸水被害相次ぐ

13日午前4時半ごろに氾濫危険水位を超えた千保川の近くにある富山県高岡市博労地区では住宅の浸水被害が相次ぎました。

玄関が水につかった男性は「午前5時ごろには家の前の車が水につかっている状態で、もうだめだなと思いました」と話していました。

また、事業所に勤務する男性は「午前7時ごろに来た時には水は引いていましたが、床にいろいろなものが転がっている状態でした。前にも被害があったと聞いていましたが油断していました」と話していました。

そして、住宅が床上浸水した女性は「水がいったん引いたあと、午前3時くらいからボコボコと沸騰するような音が聞こえ、玄関で水かさが上がっているのが見えました」と話していました。

《福井》

勝山永平寺線の小舟渡駅周辺で土砂崩れ

福井県の「えちぜん鉄道」によりますと、永平寺町にある勝山永平寺線の小舟渡駅周辺で土砂崩れが起き、線路内に土砂が流れ込んでいるということです。

また小舟渡駅と勝山市の保田駅の区間で線路が水につかる被害が出ているということで、担当者が現場で確認作業を行っています。

あわら 北潟 住宅に土砂が流入

大雨の影響で福井県あわら市北潟では住宅の庭ののり面が幅10メートルほど崩れ、少し低い場所に建つ隣の住宅に土砂が流れ込みました。

あわら市によりますと土砂が流れ込んだ家には2人が住んでいましたが、無事だったということです。

庭ののり面が崩れた西森幸作さん(77)は「午前2時半ごろに消防の人から、のり面が崩れて、下の家に土砂が流れ込んでいることを聞きました。こんなに大きく崩れたのは今回が初めてです」と話していました。

また、自宅の近くにある西森さんの小屋には一時、腰の高さまで水が流れ込んできて、トラクターなどが水に浸かってしまったということです。

《石川》

津幡町 中山地区 川の水あふれ住宅に浸水被害

石川県津幡町の山あいにある中山地区では能瀬川の水があふれ、周辺の住宅に浸水の被害が出ました。

玄関や居間に水や泥が流れ込み、住民たちは家具や畳を外に運び出すなど片づけ作業に追われていました。

浸水した住宅に住む70代の女性は「雨が強まったと思ったらすぐに水かさが上がったので、急いで2階に逃げました。とにかく怖かったです」と話していました。

また、近くの上矢田地区でも能瀬川があふれた影響で浸水の被害があり、住民たちが車庫や農業用の倉庫に残った泥をかき出していました。

車庫を片づけていた60代の男性は「床下まで水が来たのは初めてで、危機感を感じました。田んぼも水につかってしまったので、これからが大変です」と話していました。

能瀬川沿いでは橋の欄干や道路に流されてきた草や木が散乱しているほか、道路の一部が崩れているところも見られました。

かほく 箕打地区 道路や橋に被害

石川県かほく市の箕打地区では大雨の影響で道路や橋に被害が出ました。

このうち、地区を通る市道では2メートルから3メートル四方にわたって崩れている場所がありました。

現場のすぐそばには「大海川」が流れていて、市では川の増水で周辺の地盤が削られたことが原因ではないかとしています。

また、近くにある橋でも川を流れてきた木や草が散乱し、両脇に設置されている柵が壊れていました。

市は被害が出た道路や橋の通行を禁止にして、近づかないよう呼びかけています。

箕打地区の区長を務める田中英明さん(70)は「けさ4時ごろ見てみると道路が崩れていてびっくりしました。川の流れる音がいつもと違って激しかったです。橋の向こう側には田んぼもあるので早く復旧してほしいです」と話していました。

かほく 津幡町 住宅に浸水などの被害

石川県によりますと13日午後3時現在で、県内では津幡町とかほく市の合わせて70棟の住宅に大雨による被害が確認されたということです。

内訳は▽一部破損が7棟、▽床上浸水が8棟、▽床下浸水が55棟となっています。

これまでにけがをした人などの情報は入っていないということです。

また、津幡町では住宅のほかにも、2つの高齢者施設で床上浸水の被害があり、町内の別の高齢者施設では訪問介護用の車が水につかったということです。

津幡町 浸水被害の住宅で片づけに追われる

石川県津幡町では12日からの大雨で住宅の浸水被害が相次ぎ、住民たちが片づけ作業に追われています。

このうち70代の女性が暮らす住宅は床上まで水につかったということで、廊下の壁には泥水の跡が10センチほどの高さまで残っていました。

居間にも水が流れ込んだということで、女性は「60年以上ここで暮らしていますが、こんなことになるのは初めてで怖いです」と話していました。

また、別の70代の女性の自宅も床下まで浸水したということです。

この女性は「昨夜11時ごろにはバケツをひっくり返したような雨が降ってきて、短い時間で車のタイヤの辺りまで水かさが増していきました」と話していました。

かほく 津幡町 「道路が冠水」通報30件以上

警察によりますと、石川県かほく市と津幡町で13日午前0時ごろまでに「道路が冠水している」といった通報が30件以上寄せられ、中には「車が動けなくなっている」という通報もあるということです。

今のところけが人の情報は入っていないということです。

また、消防によりますと、内灘町では「土砂崩れが起きている」という通報が1件が寄せられているということです。

内灘町 西荒屋地区で道路が冠水

石川県内灘町の西荒屋地区では道路が冠水しました。

近くを流れる川の水位が下がっていないためで、町は数百メートルの区間を通行止めにしています。

近くに住む東朋宏さん(52)の住宅には、たまった水が床下に流れ込みました。

水が引かないため片付け作業を始められないということで、東さんは「水がたまっているので自宅に戻れず、身動きが取れなくて困っています。これほどの高さまで冠水したのは初めてです」と話していました。

また、近くで葬儀会社を経営する南守雄さん(82)は道路の冠水で出勤できなくなりました。

南さんは「事務所の様子が気になりますが、水が引くまで何もできません。おそらく水に浸かっていると思います」と話していました。