大谷翔平 シーズン後半戦へ【オールスター後の会見 一問一答】

大リーグ、エンジェルスの大谷翔平選手が3年連続3回目の出場となるオールスターゲームにアメリカンリーグの2番指名打者で先発出場し、第1打席は空振り三振、第2打席はフォアボールでした。試合前日の会見で「打ちたかった」といっていた初ホームランは来年以降に持ち越しとなりました。試合後の会見ではオールスターゲームの魅力や、シーズン後半戦に向けた意気込みを話しました。

Q.打席中のファンからのラブコール。経験ありますか?
A.ないですね。まあ聞こえてましたけど(笑)。打席は打席で、集中してました。

Q.3回目のオールスターは過去2回と比べてどうだったか。
A.もちろん1回目と比べたら、緊張感というのは、もちろんなかったですけど。何回来ても新鮮ですし、いい経験だなと思って、きのうもきょうも楽しみました。

Q.いろんな選手に、誰が一番すごい選手か聞いたら、あなたの名前が一番多くあがった。あなたにとっては、誰が一番すごい?
A.自分たちのチームで?ア・リーグ?(Q.全チームで。)きょうに限らずですけど、ベッツ選手(ドジャース)はすごいなと。すごいなというか、ライト守ったり、ショート守ったり、セカンド守ったり、何て言うんですかね、高いレベルでオールラウンドにこなす選手はいないと思うので、見ていてすごいなと思います。

Q.セカンドでアラエズ選手と会話。その内容と彼の活躍について。
A.セカンドでは彼がアウトになった後だったので「おまえの足が必要だ」と冗談で言われて「そんなことないよ」という感じで返していましたけど。シーズン中は毎回見ればヒット打ってますし、必ず見た時にヒットを打っているようなそういう感覚なのですごいなと思って見てます。

Q.シアトルのファンの印象は?
A.熱もあっていつも来たときにすばらしいファンだなと思ってます。ここ2年くらいオフシーズンにシアトルにいたりとかしていたので、街もキレイですし、すばらしいところだなといつも思ってます。

Q.他球団の選手から誘いは。
A.まあ秘密ですね(笑)。言われてても言えないですし(笑)。

Q.2打席振り返って。
A.どんどん振っていきたいなと思っていたので、どっちもスリーツーになって、多少ボールでもいきたいなという気持ちで立ってました。

Q.後半戦のアプローチは。
A.やることはもちろん変わらないので、自分が毎試合ベストな状態で結果を出していくというところですし、チーム的に苦しい状態、けが人が多くて苦しい状態ですけど、何人か帰ってきますし、そのときにしっかりまた戦える準備をできる、準備をいまからしっかりして後半戦臨みたいなと思います。

Q.1回、アロサレーナ選手のスーパーキャッチどう見た?
A.シーズン中からディフェンスもオフェンスもすばらしいですし、こういうところでああいうプレーができるのもスター性じゃないかと思うので、常にそういうすばらしいプレーができるいい選手だなと思います。

Q.残り2日間の過ごし方。
A.とりあえずあしたはなにもしないと思うので、あさっては試合の前日なので準備をしたいなと思います。

Q.2打席の中で、この1球は捉えられたと思うボールは?
A.2打席目の初球ですかね、カーブはまあ惜しかったなと思います。

Q.自分としては。
A.打ったかなと思ったんですけど、それよりも曲がりが大きくてファールになった感じです。

Q.他の選手との接し方などに変化あったか。
A.変化?自分より下の選手が、年齢的にも下の選手がもちろん何人もいたりとか、最初のほうはそんな感じなかったですけど、そういう感じはありましたけど、基本的には全員ほかのチームの選手ですし、あまりしゃべったことがない選手ですので、しゃべれば年齢関係なく、フレンドリーな人が多くていい人が多いので、楽しく過ごせているなと思います。

Q.このオールスター期間中に心に残っていることは?
A.まだ終わっていないというか、さっきまでプレーしていたのでまだあまり振り返ることはないですけど、シーズンが終わった後にでも楽しかったなと思うんじゃないかと思います。

Q.日頃から大谷選手に刺激を受けている、高校球児や野球少年たちにどういう姿を見せられた?あるいはどういう姿を見てもらえたらと思う?
A.自分に限らずスーパースターの選手たちがたくさん出ているので、そのなかのプレーヤーの1人として、積極的にバットは振れていたので、積極的に打席のなかでスイングしたいなと思ってました。

Q.改めてこの舞台でHRを打つ難しさについて。
A.オールスターに出るくらいのすばらしいピッチャーが集まってるのでなおさら打つのは難しいですし、そのなかでホームランを打てる選手は限られていると思うので、今後また選ばれたいなという気持ちがありますし、そこでまた打ってみたいなという気持ちがあります。

Q.おととし後半戦ホームランがなかなか出ない苦しさがあったと思うが振り返って。
A.ペース的には落ちてましたけど、バッティングの内容というか、感じはペースに限らず打席の内容はそのときによって変わってくると思うので、いいときもあれば悪いときもありますし、なるべくいいときを維持するのが一番難しいことでもあるので、きょうはきょうで終わったことですし、明日から2日間休んで、切り替えて後半戦に臨みたいと思います。

Q.オールスターゲームの何にひかれる?
A.ふだん同じリーグでプレーしている、チーム、敵として相手のチームとして戦っているチームの主力選手たちと一緒に味方としてプレーできる、そのラインナップに入れるというのは特別なことじゃないかと思うので、それは何回経験してもすばらしいことだと思います。

Q.オールスター期間中も2日続けてキャッチボールしていた。シーズン後半に向けて、どんなピッチングを。
A.ピッチングに限らず、いいコンディションで初戦を迎えることが一番大事ですし、初戦が終わったら2試合、3試合、4試合目といけるように、その準備をしたいと思います。

“FA前の大谷への「アピール合戦」の2日間” 記者はどうみた?

「ウチに来て!」

ことしのオールスターゲームは、今シーズン終了後にFA=フリーエージェントとなる大谷選手に対するさながらアピール合戦のような様相を呈した2日間でした。

イチローさんが大リーグ1年目だった2001年以来、22年ぶりにオールスターゲームの開催地となったシアトルのファンたちは大谷選手が打席に入るたびに
「Come to Seattle!」(=「シアトルに来て!」)の大合唱で迎えました。

この極めて異例な声援はもちろん大谷選手に聞こえていて感想を聞かれると「ちょっと複雑な気持ちだった」と苦笑いを浮かべました。

同じような光景は、試合前日の会見でもありました。

大谷選手の代理人が報道陣のすぐ近くで目を光らせる中、アメリカメディアからは去就に関する質問が相次ぎました。

「シカゴは好きですか?」「シアトルはどうですか?」と具体的な街の名前まで飛び出し、大谷選手が自分の街を移籍先に選んでくれる可能性があるのか、記者たちが直接、質問をぶつける姿が印象的でした。

では、選手たちはというと、大リーグでは選手どうしで移籍を誘うことは不正な交渉の「タンパリング」にあたるとして禁止されているため、不用意な発言はできません。

会見でどの選手に誘われたかを聞かれた大谷選手も「それは秘密。言われてても言えないですしね」と笑顔でかわしました。

試合ではノーヒットに終わり「オールスターでホームランを打ってみたい」という願いは来年以降に持ち越すことになりましたが、「今後また選ばれたい、出てみたいという気持ちになった」と充実感をにじませた大谷選手。オールスターゲームの魅力について聞かれると「ふだん同じリーグで敵としてプレーしている主力選手たちと、一緒に味方としてプレーできる。一緒のラインナップに入れる。これは特別なことじゃないかと思う。何回経験してもすばらしいこと」と答え、ことしも「大谷フィーバー」に沸いた真夏の祭典は幕を閉じました。