安倍元首相 一周忌法要営まれる 政財界の関係者などが参列

安倍元総理大臣が選挙の応援演説中に銃撃されて亡くなってから8日で1年です。東京都内で、岸田総理大臣をはじめ、政財界の関係者などが参列し、一周忌の法要が営まれました。

また奈良市の現場近くには献花台が設けられ、午前中から多くの人が花を手向けています。

安倍元総理大臣が去年7月、奈良市で参議院選挙の応援演説中に銃撃され、亡くなってから1年となる8日、東京 港区の増上寺で午前中、一周忌の法要が営まれました。

法要には、安倍氏の昭恵夫人をはじめ、親族のほか、岸田総理大臣や自民党の茂木幹事長、安倍氏が会長を務めていた安倍派の国会議員、それに経済界の関係者などが参列し、故人をしのびました。

午後からは増上寺に一般向けの献花台が設けられ、訪れた人たちが次々と花を手向けて静かに手を合わせていました。

献花台の周辺には安倍氏の生前の活動を紹介するパネルが置かれ、大勢の人たちが足を止めて見入ったり、スマートフォンで写真を撮ったりしていました。

埼玉県川口市の50代の男性は「去年の国葬の時にも献花をしましたが、当時のショックは今も残っています。日本の存在感を高めるために力を尽くし、大変な思いもあったでしょうから、少しでも安らかに眠ってほしい」と話していました。

東京 文京区の20代の男性は「事件から1年が経ち、志半ばで倒れた安倍元総理大臣に改めて哀悼の意を示したいと考えて来ました」と話していました。

会場周辺には、多くの警察官が配置され、一般の献花者には入り口で手荷物検査が行われるなど、厳重な警備が行われていました。

奈良市の現場近くには献花台 多くの人が花を手向ける

現場近くには自民党の有志らによる献花台が設けられ、多くの人が花を手向け、静かに手を合わせていました。

事件が起きた午前11時半すぎには、訪れた多くの人が現場に向かって黙とうをしました。周辺では制服姿の警察官が巡回してトラブルなどの警戒にあたりました。

現場近くで手を合わせた20代の会社員の男性は、「事件からもう1年もたったのかという気持ちです。安倍さんは日本を変えてくれた人だと思っていて、お疲れ様という言葉をかけてあげたいです。もっと警備を厳重にして安全な国になってほしいです」と話していました。

安倍元首相の地元 山口 下関でも追悼の神事

安倍元総理大臣が毎年、年始に訪れていた山口県下関市の赤間神宮には、安倍元総理大臣の遺影と祭壇が設置され、神事には神職と地元の人など8人が参列しました。神職が祝詞をあげると、参列した人たちは頭を下げて安倍元総理大臣をしのんでいました。

長年、安倍元総理大臣と親交があった赤間神宮の水野大直宮司は「あっという間の1年でした。話したくても話せない寂しさを感じます。これからの日本をつくる大切な人物を亡くしたといまも喪失感があります」と話していました。

一方、自民党下関支部には献花台が設けられ、地元の人たちが次々に花束を持って訪れ、遺影の前で手を合わせていました。

訪れた50代の女性は「ふだん夏には下関に帰ってこられていたので、いまでもお会いできるんじゃないか、という気がしています。地元ではポスターも減っていて、ひと目お顔を拝見しようと献花にきました」と話していました。

山上被告の初公判 来年以降になる見通し

安倍元総理大臣が銃撃されて死亡した事件では、無職の山上徹也被告(42)が殺人や銃刀法違反などの罪で起訴されています。

捜査関係者によりますと、山上被告は、捜査段階の調べに対し、母親が多額の献金をしていた「世界平和統一家庭連合」、旧統一教会に恨みを募らせた末、事件を起こしたなどと供述したということです。

元総理を狙った理由については、「政治信条への恨みではなく、教団と近しい関係にあると思った」などと供述したということです。

一方、被告の弁護団は、事件の動機などについては裁判に影響が出るとして明らかにしていません。

事件は裁判員裁判で審理される予定ですが、争点を絞り込む公判前整理手続きがまだ始まっておらず、弁護団によりますと、初公判は来年以降になる見通しです。