福島第一原発の処理水放出めぐり 西村経産相 10日に現地視察へ

福島第一原発にたまる処理水を基準を下回る濃度に薄めて海に放出する方針をめぐり、西村経済産業大臣は、今月10日に現地を訪れて放出設備を視察することを明らかにしたうえで、東京電力に対し、安全性の確保に万全を期すよう指導する考えを示しました。

政府は、福島第一原発にたまるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水について、基準を下回る濃度に薄めて、ことし夏ごろまでに海への放出を始める方針です。

これまで、IAEA=国際原子力機関から放出に対する日本の取り組みは、国際的な安全基準に合致しているとする包括的な報告書が公表されたほか、7日に原子力規制委員会から東京電力に対し、放出設備の性能を確認する最終段階の検査に合格したことを示す終了証が交付される見通しです。

これについて西村経済産業大臣は7日の閣議のあとの記者会見で、10日に現地を訪れ、東京電力の放出設備を視察し、安全性の確認を行うことを明らかにしました。

そのうえで、「安全性の要となる部分について、自分の目でしっかりと確認するとともに、東京電力などに対し、安全性の確保に万全を期すよう指導したい」と述べました。

さらに、「漁業者の方々には繰り返し説明を重ねるとともに、懸念や要望に対して、しっかり応えていくことが重要だ。安全性の確保や風評対策について、タイミングを調整して、直接、福島の地元の皆さんに説明していきたい」と述べました。