埼玉 北部中心にひょうや浸水などの被害 28日の大気不安定で

28日、大気の状態が非常に不安定になった影響で大雨やひょうが降った埼玉県内では、北部を中心に突風やひょう、浸水の被害が出ています。

埼玉県熊谷市小曽根の農業用ハウスでは大雨の影響で一時、深さ10センチほどまで浸水し、29日は、ぬれた段ボールを乾かしたり、泥を片づけたりしていました。

また、ひょうの影響で農業用ハウスの一部にも穴が空きました。

福井航さんは「育てているベビーリーフに被害はなかったので、よかったです。これから、雨が本格的になる季節になるので不安です」と話していました。

また、羽生市須影の住宅では、止めてあった車が「ひょう」の被害を受けドアの部品が壊れたほか、住宅の網戸に穴があく被害が確認されました。

この家に住む70代の女性によりますと、ひょうは3センチから4センチほどの大きさのものもあったということです。

女性は「ひょうや雨が窓ガラスにたたきつけるバチンバチンというものすごい音がしました。窓ガラスが割れるようでとても怖かったです」と話していました。

また、この地区では農業にも被害が出ていて、きゅうりを栽培している農業用ハウスには、ひょうが突き破ってできた多くの穴があいていました。

このハウスでは、きゅうりはほとんど収穫していたということですが、農家の男性は「ハウスの穴から雨や虫が入ってきて作物が傷んでしまうので、秋や冬のシーズンに向けて補修しなければなりません。勘弁してほしいです」と話していました。

このほか、行田市によりますと、ひょうの影響で、住宅の窓ガラスや駐車場のカーポートに穴が空いたといった情報が8件寄せられているほか、市営住宅の窓ガラスが割れる被害が5件、それに、農業用ハウス6棟で穴が空くなどの被害がそれぞれ確認されているということです。

また、深谷市では突風が原因と見られる空き家や物置のトタン屋根が飛ばされる被害が2件あったほか、加須市では住宅や納屋などで4件の火災があり消防は落雷との関連を調べています。

熊谷市の高校 突風でソーラーパネル落ちるなどの被害も

28日、突風でソーラーパネルが落ちたりガラスが割れたりする被害が出た熊谷市の県立熊谷工業高校では、応急的な対応を行っています。

県立熊谷工業高校では、28日午後4時ごろ3階建ての校舎の屋上に設置していたソーラーパネルが突風で飛ばされ、敷地の駐車場に落ちました。

学校によりますと、当時は風や雨が激しく周りが全く見えない状況で、教員が大きな物音を聞いて外を見たところ落下しているのに気付いたということです。

落下に伴って校舎の2階の窓ガラスが1枚割れたことから、学校は応急的に段ボールを設置する対応をとりました。

けがをした人はおらず、授業も通常どおり行われています。

学校は、今後業者に連絡して落ちたソーラーパネルを撤去することにしていますが、周辺には割れた窓ガラスの破片が散乱しているためコーンを置いて注意を呼びかけています。

越後屋智彦事務部長は「生徒などに被害がなくてよかった。きょうも大気が不安定になりそうなので、校舎のほかのところも点検して安全に過ごせるよう努めたい」と話していました。

突風とみられる被害相次ぎ 気象台が現地調査

埼玉県内では28日、大気の状態が非常に不安定になり、北部を中心に発達した積乱雲が通過しました。

熊谷市と深谷市によりますと、この影響で倉庫が倒壊したり公園の木が倒れたりしたほか、物置のトタン屋根が飛ばされるなど突風とみられる被害が相次いだということです。

これを受けて、熊谷地方気象台は29日、機動調査班を2つの市に派遣し、住宅や公園など合わせて9か所をまわって被害の詳しい状況などを調べました。

気象台は、調査結果がまとまり次第公表することにしています。