小児に多い白血病 “薬の種類や量増やすと生存率向上”と研究G

小児がんの中で患者数が多い白血病の一種について、投与する薬の種類や量を増やすと3年後の生存率が70%から90%以上に向上したと国内の小児病院などでつくる小児がんの研究グループが発表しました。
標準の治療法になることが期待されるとしています。

全国各地の小児病院などが参加する「日本小児がん研究グループ」などは、「T細胞性急性リンパ性白血病」の0歳から24歳までの患者349人を対象に2011年から行った臨床試験の結果を国際的な医学雑誌「ランセット・ヘマトロジー」に発表しました。

従来の治療では抗がん剤と炎症を抑える薬が使われ、15歳未満では3年後の生存率は71.0%でしたが、臨床試験で患者に応じて抗がん剤の量を増やした上で、薬が効きにくい患者に「ネララビン」という薬を追加して投与するなどしたところ、3年後の生存率は91.3%になり、再発なく生存する割合も86.4%まで向上したということです。

また、頭部への放射線治療や造血細胞の移植など負担の大きい治療を受ける患者も減ったということで、すでに国内の多くの医療機関で取り入れられ、世界でも広く導入されることが期待されるとしています。

グループの1人で宮城県立こども病院の佐藤篤医師は「9割の人が助かるというのはこの病気になった人たちの励みになる情報だと思う。さらに良い治療法にしていきたい」と話しています。