大谷翔平 3年連続オールスターゲーム出場決定 指名打者で先発

来月行われる大リーグのオールスターゲームのファン投票の1次投票でエンジェルスの大谷翔平選手がアメリカンリーグ全体のトップとなる264万票余りを集め、3年連続3回目のオールスター先発出場が決まりました。

大リーグのオールスターゲームに先発出場する野手を選ぶファン投票の1次投票の結果が22日、発表されました。

アメリカンリーグの指名打者部門で候補となっていた大谷選手はリーグ全体で1位となる264万6307票を集め、全体2位だったブルージェイズのショートのビシェット選手に54万票余りの大差をつけて最終投票を待たずに3年連続3回目のオールスターゲーム先発出場が決まりました。

日本の野手で3年連続大リーグのオールスターゲームに選ばれたのは、イチローさんに続いて2人目です。

ナショナルリーグではブレーブスのアクーニャJr.選手が大谷選手を上回る大リーグ最多の308万2600票を集め、オールスターゲームの先発出場が決まりました。

オールスターゲームに出場するピッチャーは選手間投票などで選ばれ、控えの野手と合わせて来月、発表されるため、大谷選手が投打の二刀流で出場するかどうかはまだわかりません。

一方、レッドソックスの吉田正尚選手はアメリカンリーグの外野手部門で8位の77万1214票、カブスの鈴木誠也選手はナショナルリーグの外野手部門で10位の46万7084票、カーディナルスのラーズ・ヌートバー選手は同じくナショナルリーグの外野手部門で15位の41万1870票で、いずれも最終投票には進めませんでした。

大リーグのオールスターゲームは7月11日、日本時間の12日にシアトルで行われます。

大谷翔平「とても名誉なこと」

大谷選手は「私に投票してくれたすべてのファンに感謝したいと思います。とても名誉なことだと思います。これをモチベーションとして、グラウンド上で全力を尽くし続けたいと思います」と球団を通してコメントしました。

最多得票で選出 日本選手ではイチローさん以来2人目

大谷選手はアメリカンリーグの最多得票で3年連続3回目のオールスターゲームの先発出場を決めました。日本選手がオールスターゲームのファン投票でリーグ最多の投票を集めたのは2003年に両リーグを通じて最多得票だったイチローさん以来、2人目で、1次投票の最多得票者は最終投票を待たずに出場が決まるという去年から導入された形式では初めてです。

イチローさん(2001年)

イチローさんは2001年に史上初めて、新人で両リーグ最多得票者になるとその年を含めて3年連続で両リーグで最も票を集め、実力だけでなく人気も兼ね備えた「スター選手」としての地位を確立し、10年連続でオールスターゲームに出場しました。

ことしのオールスターゲームの開催地は22年前に大リーグ1年目のイチローさんが出場したオールスターゲームが行われたシアトルにあるマリナーズの本拠地です。

これまで規格外のプレーで多くのファンを魅了してきた大谷選手が3回目の夢舞台でどのようなプレーを見せてくれるのか、期待が高まります。

ピッチャーとしての選出は?

大谷選手は指名打者として3年連続のオールスターゲーム出場を決め、今後はピッチャーとしても3年連続で選出されるのか、選出された場合、2年ぶりにオールスターゲームのマウンドに上がるのか、注目されます。

大谷選手は今シーズン、ピッチャーとしてここまで6勝3敗、防御率3.13をマークしていて、奪三振数は117で21日時点でアメリカンリーグの2位です。

また、ヒットを打たれた割合を示す被打率は1割7分9厘と大リーグでもっとも低く、今や「大リーグの顔」となった大谷選手のスター性や話題性も考慮するとことしも選手間投票でピッチャーとしてもオールスターゲームに選出される可能性は十分あります。

大谷選手は去年、シーズンの前半戦最後の登板から中5日でオールスターゲームを迎えましたが、その3日後の後半戦初戦で先発登板することが決まっていたためバッターに専念しました。

ことしの起用法についてはアメリカンリーグの監督を務めるアストロズのベイカー監督が今後、エンジェルスや大谷選手などと相談しながら決まると見られますが、ことしもオールスターゲームから3日後に後半戦が始まり、初戦はそのベイカー監督が率いるアストロズが相手です。

去年は「後半戦の初戦に合わせるのに中2日だと少し不安がある」と話した大谷選手がピッチャーとして選出された場合、ことしはどういった決断を下すのか、2年ぶりに二刀流でのオールスターゲーム出場があるのか、注目されます。

過去2年のオールスターゲームでは

大谷選手が大リーグで初めてオールスターゲームに出場したのは大リーグ4年目のおととしでした。

この年はコロラド州デンバーで行われ、大谷選手のために特別ルールが設けられて、アメリカンリーグの先発投手と1番・指名打者を兼ねて史上初めて投打の二刀流で同時出場しました。

大谷選手は1回、アメリカンリーグの先頭バッターとして打席に立ち、ナショナルリーグの先発を務めた当時ナショナルズのシャーザー投手と対戦し、セカンドゴロに倒れました。

大谷選手はそのウラのマウンドに上がり、パドレスのタティースJr.選手をレフトフライ、ドジャースのマンシー選手をセカンドゴロに打ち取りました。

そして、カーディナルスのアレナド選手には最速161キロのストレートをマークして球場を沸かせ、ショートゴロに打ち取って1回を無失点に抑えました。

バッターとしては3回の第2打席にブルワーズのエース、バーンズ投手と対戦してファーストゴロに倒れ、5回に代打が送られて2打数ノーヒットでした。

試合はアメリカンリーグが2回に先制してそのままリードを守って勝ったため、先発登板した大谷選手が勝ち投手となりました。

この年、シーズンの前半戦で大リーグトップのホームラン33本を打っていた大谷選手は、オールスターゲームの前日に行われた恒例のホームラン競争にも日本選手で初めて出場し、1回戦で当時ナショナルズのソト選手と対戦しました。

延長を繰り返す熱戦の末、28対31で敗れましたが、最長156メートルの特大の1打で見せ場を作り、球場を大いに沸かせました。

ホームラン競争に投打の二刀流出場とどの選手よりもフル回転した大谷選手は、随所に笑顔がはじけた2日間を振り返り、「また来られるようにと思わせてくれる、すばらしい経験だった。今のところは大リーグに来て1番に近い思い出じゃないかと思う」と充実感をにじませ、歴史に残る「真夏の祭典」を終えました。

2回目となった去年のオールスターゲームはロサンゼルスのドジャースタジアムで行われ、大谷選手は2年連続でアメリカンリーグの1番・指名打者で先発出場しました。

この年はオールスターゲーム後の後半戦初戦に登板を控えていたためオールスターゲームでは投げず、打者に専念しました。

ナショナルリーグの先発は地元ドジャースの左腕、カーショー投手で、大谷選手は1回の第1打席で初球を振り抜いて詰まった当たりながらセンター前にヒットを打ちました。

大谷選手はこれがオールスターゲーム初ヒットで笑顔を見せましたが、このあとけん制球でまさかのタッチアウトになり苦笑いを浮かべてベンチに下がるひと幕もありました。

3回の第2打席はパドレスのマズグローブ投手と対戦してフルカウントからフォアボールを選び、5回に打順が回ったところで代打を送られて交代しました。

2回目の出場でオールスターゲームの流れにも慣れてきた様子で、試合後は「去年よりは全体的にリラックスして臨めたかなと思う。この先何回も選ばれたいし、何回もこういう場所でプレーしたい」と振り返っていました。

大谷選手のオールスターゲームでの通算成績は、バッターでは3打数1安打、ピッチャーでは1回無失点で、3回目の出場となることしは初めてのホームランが出るか注目されます。