大谷翔平 “二刀流”で7回1失点も3敗目【試合後の一問一答も】

大リーグ、エンジェルスの大谷翔平選手が初めて強豪のドジャース戦に先発登板し、三振12個を奪う力投で7回を1失点に抑えましたがチームが完封負けし、大谷選手が3敗目を喫しました。

※記事後半では大谷選手の試合後の一問一答も掲載しています。

大谷選手は21日、本拠地アナハイムでのドジャース戦に先発ピッチャー兼2番指名打者で出場しました。

大リーグ6年目で初めて公式戦でドジャース戦に登板した大谷選手は1回、鋭い変化球と150キロ台後半の速球で2者連続三振を奪い、上々の立ち上がりでした。

このあとも161.4キロの速球で空振り三振を奪うなど3回まで内野安打1本に抑えましたが、4回、先頭バッターにホームランを打たれて1点を先制されました。

その後は追加点を許さず、6回には3つのアウトをすべて三振で奪い、7回1失点でマウンドを降りました。

球数は101球で12個の三振を奪いヒット5本、フォアボール2つの力投で防御率は3.13となりました。

バッティングでは最初の打席でフォアボールを選んだ後はいずれもその回の先頭で打席に入り、4回の第2打席がレフトライナー、6回の第3打席がサードフライ、9回の第4打席がセンターフライで3打数ノーヒット、フォアボール1つでした。

大谷選手は15試合連続ヒットとバッティング好調で臨んだドジャースとの2連戦でヒットが出ず、打率は2割9分2厘に下がりました。

エンジェルスは相手の7人の投手リレーに抑え込まれて2試合続けて0対2で敗れ、地区3位に後退しました。大谷選手は負け投手で今シーズンの成績は6勝3敗となりました。

【一問一答】HRのボール「もうちょっと低めに投げたかった」

今シーズン3敗目を喫した試合の後、大谷選手が日米のメディアの取材に答えた一問一答です。

Q.ここ最近の2登板はシーズン序盤のような状態に戻ったように見えるが自身ではどうか?
A.前回よりもきょうの方がよかったですね、投げ心地はきょうの方がダントツでよかったかなと思います。

Q.打撃面で向こうはブルペンデーで毎回、対戦するピッチャーが違うという難しさはあったか?
A.そうですね。そこはデータも見ながら、今回が初めてではないので対応したかったですけど。なかなかチャンスをものにできなかったと思います。

Q.きょうの投球はストレートとカットボールが増えて「スイーパー」が減っているように見えたが?
A.ゲームプランであったりとかそのバッター個人個人の傾向であったりとかによって多少変わってきますけど、投げ心地がよかったのでまっすぐを多めに投げました。

Q.ここ2試合いいピッチングでその前の1か月の悪い時期を乗り越えた感じか?
A.これを継続できればもちろんいいと思いますし、それをするのが難しいことなので、きょうの感覚をしっかりとまた何日か空きますけど練習で確かめながら次回の登板につなげたいと思います。

Q.前回はイニング間や登板の間でメカニックの調整をしていたということですが見つかったものはあるか?
A.きょうはすごいよかったですね。ブルペンからよかったですしそれを試合の中でも継続できていたので。そういう感覚をことばでは難しいですけど今も言いましたけど継続することが難しいと思います。

Q.フリーマン選手に打たれたホームランは狙ったとおりのボールだったのか?
A.もうちょっと低めに投げたかったですね。ストライクじゃなくても空振りを取るボール球くらいの感じで投げたかったんですけど。浮いたら打たれるなという。いいバッターはもちろんそうですしあれは自分のミスかなと思います。

Q.投打を同時にやる時間の難しさについては?
A.肉体的なことよりは切り替えとか。きょうもバッティングはよくなかったですしメンタル的な部分の方が難しいなと思う部分がたくさんあると思います。

Q.チームにけが人が出ていますが自分にいつもよりプレッシャーをかけたり、自分でなんとかしないとという気持ちになったりするのか?
A.出ている選手はもちろんみんな頑張っていますし、ジオもそうですしレンドーン選手もそうですけど、けがをしている選手がいちばん悔しいと思うので、その分出ている選手がオフェンスで中軸打っている選手が打たないとなかなか得点にならないと思うので、そういう意味ではきょうはよくなかったと思います。

Q.ドジャース初対戦でしたが彼らの試合運びで感じるものはあったか?
A.強いチームはどこもそうですけどゲームプランを立てて全員で同じ目的意識を持ってくるなというのは、アストロズもそうですしヤンキースもそうですけど強いチームはそういう傾向が強いかなと思います。

Q.具体的にどう感じましたか?
A.具体的に何という、これ1つということではなくて。カウントによって例えば捨てる球種を持っているとかそれを全員で共有して打線の流れの中で。きょうはたまたまこっち側に流れというかテンポが来ましたけどいつ逆サイドに言ってもおかしくないオフェンスのしかたをしていると思います。

Q.高校時代にドジャースに熱心にスカウトされたが相手として特別な相手とか特別な思いとかはありますか?もちろんフロントは変わっているが。
A.んー。どうですかね、ドジャースだけではなくて僕がこっちに来るとなったときに熱心に誘いをもらった球団にはもちろん感謝していますし。ただ、投げる打つに限って言えば相手は相手で変わらないので誰が相手でも自分がやるべき事をしっかりやりたいなと思います。

Q.ドジャースファンの間では来年に移籍してくれるんじゃないかという期待があるがそういう話は入ってきているか?
A.いや、シーズンはシーズンで集中したいと思っていますので代理人に任せていますし、自分自身はシーズンに集中したいなと思っています。

Q.投げ心地とは腕の振りから来ることなのかどの辺りからか?
A.セットの段階で例えばツーストライクに追い込んだ後にこれで三振が取れるようなイメージがわきやすかったりとか、それは打席でも同じですけど指のかかりが良かったりとか変化のしかたが自分の思ったとおりロケーションも含めて投げられる球が多い傾向はいい動きの方が強いので。セットの段階できょうはよかったと思います、狙ったところにいきそうな雰囲気を持っていたかなと思います。

決勝点HRのフリーマン「スライダーに狙いを切り替えた」

大谷選手から決勝点となるソロホームランを打ったドジャースのフリーマン選手は、この試合の前までで通算ホームラン305本を打ち、今シーズンもここまで打率3割2分4厘をマークしている強打者で、大谷選手とは今回が初めての対戦でした。

第1打席はフルカウントから縦に落ちる低めのカットボールを振って空振り三振に倒れましたが、第2打席ではそのカットボールを完璧に捉えて修正力の高さを見せました。

試合後、取材に応じたフリーマン選手は大谷選手との対戦について「どんなピッチャーが相手でも自分の打席でのアプローチは変わらない。それはストライクをしっかりスイングすることだが、第1打席はボール球に手を出して三振に倒れてしまった。第2打席は初球のストレートをファウルにして、もう彼はこのボールを投げないだろうと思ったのでカットボールかスライダーに狙いを切り替え、それを捉えることができた」と振り返り、直前で狙いを変えて捉えた1打だったと明かしました。