天皇陛下 インドネシア ジャワ島中部で晩さん会に出席

インドネシアを訪れている天皇陛下は21日、ジャワ島中部のジョグジャカルタの王室が主催する晩さん会に出席されました。

天皇陛下は、21日に首都ジャカルタ近郊の空港を政府専用機で出発し、ジョグジャカルタに向かわれました。

皇后さまは医師団の見解も踏まえ、体調を考慮してジャカルタのホテルにとどまられました。

ジョグジャカルタでは、21日夜、州知事でこの地域の君主「スルタン」の称号を継承するハメンクブウォノ10世が主催する晩さん会が開催され、天皇陛下が出席されました。

天皇陛下は宮殿で、スルタン夫妻の出迎えを受け、インドネシアの伝統音楽「ガムラン」や伝統芸能の影絵芝居を鑑賞されました。

そして、スルタン夫妻など王室と晩さん会をともにし、宮内庁によりますと、スルタンが「今後さらに若い人たちとの交流を広げていきたい」と述べると、天皇陛下は「まさにそういった若い人たちの交流が重要だ」と応じられたということです。

天皇陛下は、22日は世界遺産のボロブドゥール寺院を視察し、再びジャカルタに戻られることになっています。

砂防施設で

天皇陛下は21日、インドネシア・ジャワ島中部のジョグジャカルタにある砂防技術事務所を訪問されました。

ジャワ島中部の活火山、ムラピ山が、過去の噴火で多数の死者を出したことなどから、日本は長年にわたって現地の砂防技術事務所に専門家を派遣し、土砂災害を防ぐための技術協力を続けてきました。

日本語の砂防ということばは今ではインドネシアでも定着しているということです。

現地の状況について説明したインドネシアのバスキ公共事業・国民住宅相は「『SABOはインドネシアはもちろんほかの国々でも有名です』と伝えると、天皇陛下からは『砂防を世界に紹介してくれて感謝します』というお言葉をいただきました。砂防の分野でのインドネシアと日本の協力について、天皇陛下に関心を持っていただき、非常に誇りに思うとともに感謝しています」と話していました。

そのうえで、今後について「政治や文化はもちろん、砂防の分野でもインドネシアと日本の協力関係を深めていきたい」と話していました。