沖縄 糸満沖 ダイビング中に行方不明の7人全員救助 けが人なし

19日昼前、沖縄県糸満市の西の沖合でダイビング中の男女7人が流され、一時、行方不明になりました。全員救助されて、けがはないということで、海上保安本部が詳しいいきさつを調べています。

第11管区海上保安本部によりますと、19日午前11時50分ごろ、糸満市の西の沖合にあるルカン礁と呼ばれる輪を描くように集まってできたサンゴ礁の北東およそ600メートルの海域で、ダイビング船のインストラクターから「ダイビングをしていた7人が行方不明になった」と通報がありました。

7人のうち、5人は客、2人はインストラクターで、男性4人、女性3人でした。

海上保安本部や警察がヘリコプターなどを出して捜索した結果、ルカン礁の南東およそ4キロの海上で、午後1時55分ごろに6人を、さらに1キロ南東の海上で午後2時45分ごろ、残り1人を発見し全員を救助しました。

いずれも、けがはないということです。

7人は潮の流れに乗って海中を移動する「ドリフトダイビング」と呼ばれるダイビングを行っていたということで、海上保安本部が詳しいいきさつを調べています。

那覇海上保安部によりますと、現場付近の天候は曇り、風速は南南西10メートルだったということです。

沖縄気象台によりますと、19日に沖縄本島周辺の海上の波の高さは2メートル近く、うねりはほとんどないと予想されていました。

発見された場所は

第11管区海上保安本部によりますと、7人はルカン礁灯台から北北東およそ640メートルの付近でダイビング船と合流する予定でした。

その後、7人は行方がわからなくなり午前11時48分にダイビング船のインストラクターが海上保安本部に通報しました。

通報からおよそ2時間後の午後1時55分ごろ、7人のうち6人は海上保安本部のヘリコプターによって発見されました。その場所はルカン礁灯台から東南東におよそ6キロの沖合でした。

残る1人は、午後2時45分ごろ、ルカン礁灯台から南東におよそ7キロの沖合で、沖縄県警のヘリコプターによって発見されました。

「ルカン礁」は上級者向けスポット

今回のダイビングのグループが向かったのは、「ルカン礁」と呼ばれる、沖縄本島の糸満市の西の沖合10キロあまりのところにある、ドーナツ形をしたサンゴ礁です。ダイビングの人気のスポットにもなっています。

県内でダイビングショップを経営し、ルカン礁で10年ほどのダイビング経験があるという男性によりますと、ルカン礁は崖のような地形になっていて、最大で40メートルほどの深さがあるということです。

ルカン礁は外洋に面していて、時間帯によっては潮の流れが速くなることがあることから、上級者向けのダイビングスポットだということです。

ドリフトダイビングとは

「ドリフトダイビング」は、船から海に入ったダイバーが、潜ったまま潮の流れに乗って海中を移動します。

船は、潮の流れなどから、ダイバーが浮上する場所を予測して移動し、落ち合います。

日本水難救済会理事長“油断すると危険な状態に”

沖縄県の第11管区海上保安本部での勤務経験がある、日本水難救済会の遠山純司理事長は、「ルカン礁と呼ばれる場所は水深もそれほど深くなく、那覇空港からも近いため、人気のダイビングスポットだと言われている。ただ、海がしけてくるとうねりが出てきて、南から北に抜ける潮の流れが比較的強い場所だと聞いているので、油断すると危険な状態に陥ると考えられる」と述べました。

その上で「ドリフトダイビングは、比較的流れがある海域でダイビングボートから、ダイバーが海中に入ったらそのまま流れに身を任せてダイビングを楽しむ手法で、潮流や流れの速さを予測して、浮上してくるところにボートが移動するが、予測を誤ると命取りになる。潮の流れは一定ではないので、目測を誤って浮上したダイバーを見失う事故は過去にも起こっているので、より注意が必要だ」と話していました。