油井宇宙飛行士 ISS長期滞在へ “日本人宇宙飛行士の手本に”

宇宙飛行士の油井亀美也さんが、国際宇宙ステーションに長期滞在する新たな計画が決まったことをJAXA=宇宙航空研究開発機構が16日公表し、油井さんはオンラインの記者会見で、「日本人の宇宙飛行士として、お手本になるようなミッションにしたい」などと意気込みを述べました。

高度400キロ付近の上空で地球を周回している国際宇宙ステーションでは、ことし3月まで宇宙飛行士の若田光一さんが滞在していたほか、早ければ8月に古川聡さんがアメリカの民間宇宙船「クルードラゴン」で向かい、長期滞在する予定です。

JAXAは16日、日本人宇宙飛行士の新たな長期滞在計画を公表し、油井亀美也さんが来年、2024年ごろにアメリカの民間宇宙船で飛行し、国際宇宙ステーションにおよそ半年間滞在する計画が決まったことを発表しました。

油井さんが国際宇宙ステーションに長期滞在するのは2015年以来2度目で、オンラインで会見に臨んだ油井さんは、「重要な役目に指名され、光栄だし嬉しく思っている。たくさんの成果を残して日本人の宇宙飛行士としてお手本になるようなミッションにしたい」と意気込みを述べました。

また、油井さんが2009年に選ばれて以来、14年ぶりに、ことし新たに2人の宇宙飛行士の候補が選ばれたことについて、「わたしがハードルを上げ、わたしより上に行かないと月には行けないと新しい2人に思ってもらい、頑張ってもらうのが大事だと思う」と述べました。

宇宙飛行士の油井亀美也さんとは

宇宙飛行士の油井亀美也さんは、長野県川上村の出身の53歳。

防衛大学校を卒業したあと、1992年に航空自衛隊に入隊してパイロットなどを務め、2009年、宇宙飛行士の候補の選抜試験で、応募者およそ1000人の中から選ばれました。

その後、JAXA=宇宙航空研究開発機構に入社し、NASA=アメリカ航空宇宙局での訓練を終えたあと、2011年に正式に宇宙飛行士として認定を受けています。

そして、2015年には自身初めてとなる宇宙飛行を行い、およそ5か月間、国際宇宙ステーションに滞在し、科学実験などを行いました。