ヨーロッパ中央銀行 前回と同じ0.25%の利上げ決定

ヨーロッパ中央銀行は金融政策を決める理事会を開き、0.25%の金利の引き上げを決めました。声明では2%の物価目標を達成するため、次回以降の会合でさらなる利上げを検討する考えを示しました。

ヨーロッパ中央銀行は15日、本部があるドイツのフランクフルトで政策理事会を開き、主要な政策金利を0.25%引き上げ、4%ちょうどとすることを決めました。利上げは、去年7月から8回連続となります。

理事会のあとの声明でヨーロッパ中央銀行は、「政策金利は2%の物価目標を達成するため十分な水準まで引き上げられ、維持されることになる」と述べ、次回以降の会合でさらなる利上げを検討する考えを示しました。

ユーロ圏の先月の消費者物価指数は、前の年の同じ月と比べて6.1%の上昇と、一時10%を超えていた去年と比較すると、全体として落ち着く傾向を示していますが、中央銀行が目標とする2%を上回っています。

また、ユーロ圏のことし1月から3月までのGDP=域内総生産の伸び率は、今月8日に発表された改定値でマイナス0.1%と2期連続のマイナスとなり、利上げの経済活動への影響も明らかになっています。

アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は、14日まで開いた会合で利上げの見送りを決めた一方、政策金利の見通しは年内にあと2回の利上げが想定される内容となるなど、各国の中央銀行は根強いインフレをいかに抑え込むか、難しい舵取りを迫られています。

ラガルド総裁「7月に利上げ続ける可能性 非常に高い」

ヨーロッパ中央銀行は、今回の理事会でこの先のユーロ圏の物価の見通しについて、いずれも平均で
▽2023年は5.4%
▽2024年は3.0%
▽2025年は2.2%
と、再来年まで物価目標の2%を上回る可能性があるという見方を示しました。

ラガルド総裁は理事会のあとの記者会見でこうした物価の見通しについて「満足はできず、適切ではない」と述べました。そのうえで、「7月に利上げを続ける可能性は非常に高い」と述べ、次の金融政策を決める会合で引き続き利上げを検討する考えを明らかにしました。

ただ、今後どれくらいの水準まで金利を引き上げるのかという質問に対しては、「金利の水準にコメントするつもりはない。そこに到達すればわかることだ」と述べるにとどめました。