国会最終盤へ 岸田首相・各党動きや発言は

岸田総理大臣は15日午前、総理大臣官邸で、みずからが会長を務める自民党岸田派幹部の根本元厚生労働大臣とおよそ30分間会談しました。

会談では、会期末まで1週間を切った最終盤の国会情勢などをめぐり、意見を交わしたものとみられます。

このあと根本氏は記者団に対し、「定期的に、いろいろな報告事項もあるので懇談をした」と述べました。

また、記者団が「衆議院の解散について、話はあったか」と質問したのに対し、根本氏は「それは出ていない。これからの政策課題と派閥のいろいろな話をして議論した」と述べました。

岸田総理大臣は、14日は、みずからに近い宮沢税制調査会長と会談するなど、政権幹部らと連日意見を交わしています。

自民 各派閥でも不信任決議案や解散の発言相次ぐ

衆議院の解散をにらんだ与野党の神経戦が続く中、自民党の各派閥の会合では、岸田内閣に対する不信任決議案の提出の動きや解散についての発言が相次ぎました。
このうち、茂木幹事長は「一部の野党は、会期末で恒例だから内閣不信任決議案を出す考えがあるようだが、不信任の理由をぜひ明確に示してほしい。今は日本を前に進めるための政策に取り組むフェーズだと考えているが、政治なのでフェーズが変わることもあり、変わったならそれに対応するのが政治家だ」と述べました。
森山選挙対策委員長は「解散があるか、ないかまったくわからないが、衆議院は常在戦場だ。新たな区割りに伴い、決まっていない支部長を決めることは大事なことだ」と述べ、衆議院選挙に向けた立候補予定者の選任を急ぐ考えを示しました。
遠藤総務会長は「解散や不信任がどうこうという話があるが、備えあれば憂いなしだ。岸田総理大臣は正しい判断をしていると私たちも信頼しているので、その感性を信じたい」と述べました。
一方、安倍派の塩谷元文部科学大臣は「岸田総理大臣はしかるべきときに適切な決定をすると思うが、来月8日の安倍元総理大臣の一周忌は静かに迎えたいという気持ちはある」と述べました。

公明 山口代表「議案の会期内成立が最大の責任」

公明党の山口代表は党の中央幹事会で「会期末に向けて、大詰めを迎える中、野党がどういう対応をするか、いろいろ議論が交わされている。議案として、かかってるものを会期内できちんと成立させ、国民に届けることが議員の最大の責任であり、しっかりやり遂げるよう衆参両院で連携して臨んでいきたい」と述べました。

立民 泉代表「解散かどうかは首相の問題 不信任決議案とは別物」

立憲民主党の泉代表は記者団に対し「実質賃金が13か月連続で下がり、国民の懐が厳しくなっている中で、増税や社会保険料の引き上げの話が出ていて、結論は先送りされているが、衆議院選挙があれば、おそらくその後に負担増だと言われている。立憲民主党は負担増と戦う政治をしており、今の岸田政権は進め方や優先順位がおかしいと訴えたい」と述べました。

また、岸田内閣に対する不信任決議案を立憲民主党が提出すれば、衆議院解散の大義になるという見方が与党内にあることについて、「解散するかどうかは、岸田総理大臣の責任や覚悟、自覚の問題であり、不信任決議案とは別物だ。解散をにおわせたり、もてあそんだりするようなことは、国民も国会議員も軽んじている」と批判しました。

立民 長妻政調会長「理由なければ国民の理解得られない」

立憲民主党の長妻政務調査会長は記者会見で「岸田総理大臣は、衆議院の解散を自由自在にできると思っているのか。自分たちに有利か不利かという都合で数百億円以上のお金をかけて選挙を行い、危機管理が大切と言いながら、いたずらに一定期間、国会を空白にすることは問題だ。きちんとした理由がなければ国民の理解は得られない」と述べました。

維新 馬場代表「前例や慣例で不信任案提出に飽き飽き」

日本維新の会の馬場代表は記者会見で「国会の会期末になれば、内閣不信任決議案を、可決されるメドもないまま前例や慣例にならって提出することには飽き飽きしてきた。内閣不信任決議案には協力も賛成もしない方針だが、『ハプニング解散』にならないか十分注目していきたい」と述べました。

共産 志位委員長「内閣不信任決議案は野党の最強の切り札」

共産党の志位委員長は記者会見で「衆議院の解散をもてあそぶような岸田総理大臣の発言は認めるわけにいかない。内閣不信任決議案が提出された場合は、当然、賛成するが、野党にとっては最強の切り札なので、提出する場合は、本気で解散に追い込み、政権奪取を目指す覚悟が必要だ」と述べました。