大谷翔平 延長戦で決勝の20号ホームラン リーグ単独トップに

大リーグ、エンジェルスの大谷翔平選手がレンジャーズ戦で7回に同点ホームラン、延長12回に決勝の2ランホームランを打ち、ホームラン数を20本としてアメリカンリーグの単独トップに立ちました。

大谷選手は12日、相手の本拠地、テキサス州アーリントンで行われたレンジャーズ戦に2番・指名打者で先発出場しました。

1回の第1打席はファーストゴロ、3回の第2打席はフォアボール、4点を追う5回の第3打席はノーアウト一塁三塁でレフトに犠牲フライを打って打点をあげました。

1点差に迫って迎えた7回の第4打席では、低めのボールを完璧にとらえて特大の19号ソロホームランを打ち、5対5の同点に追いつきました。

9回の第5打席は空振りの三振で、試合はノーアウト二塁から始まるタイブレーク方式の延長戦に入りました。

そして互いに得点のないまま迎えた延長12回、ノーアウト二塁の第6打席で、この試合2本目となる勝ち越しの20号2ランホームランを打ち、大谷選手は打球の行方を見届けると、両手を広げて喜びながらダイヤモンドを1周していました。
大谷選手は3年連続4回目の20号到達で、ヤンキースのジャッジ選手を抜いて、ホームラン数でリーグ単独トップに立ちました。

大リーグで日本選手が3年連続でホームラン20本を打ったのは初めてです。

エンジェルスはこのあと途中出場のウォラック選手の2ランでさらに2点を加え、9対6で勝ちました。

エンジェルスは相手に先行される苦しい展開でしたが、大谷選手が終盤の7回に同点ホームラン、延長に入って決勝ホームランを打ち、野手を使い切る総力戦で同じ地区で首位のレンジャーズとの4連戦の初戦を取りました。

大谷選手は4打数2安打4打点で連続試合ヒットを「9」に伸ばし、打率は2割9分1厘に上がりました。

「どうしても取りたい4連戦初戦だった」

決勝ホームランを打った大谷選手は、試合直後のグラウンドでのインタビューで「どうしても取りたい4連戦初戦だった。いい守備もあったし、中継ぎも最後頑張ってくれた」と振り返りました。

延長10回から登板して2回を無失点に抑えて大リーグ初勝利をあげたバックマン投手については「初勝利にふさわしいすばらしい投球だった。ビールシャワーがあると思うので、みんなで祝いたい」と笑顔で話していました。

また、ショートの守備でこの日も好プレーを見せたルーキーのネト選手については「1年目とは思えないくらいすばらしいプレーが多い。チームもその勢いに乗っている。本当にすばらしいプレーヤーだと思う」とチームメートをたたえていました。

大リーグの延長戦では初ホームラン

大谷選手が延長12回に打った20号ツーランはレンジャーズのリリーフ左腕、レイガンズ投手の初球、149.1キロの真ん中高めのカットボールをとらえて今度はレフトに運びました。

飛距離は118.2メートル、打球速度は172.2キロでした。

大谷選手はこれまで延長戦で回った打席は26打数2安打と打てていませんでしたが、大リーグ6年目で初めてホームランを打ちました。

また、1試合で2本のホームランを打つのは先月31日のホワイトソックス戦以来今シーズン2回目、大リーグ通算14回目です。

ホームラン王争い単独トップ ライバル戦列離れる

大谷選手はここ7試合で5本のホームランを量産して早くも今シーズン20号に到達するとともに、おととし以来、2シーズンぶりにアメリカンリーグのホームラン王争いで単独トップに立ちました。

2位は昨シーズン、アメリカンリーグの最多記録を更新するホームラン62本を打ったヤンキースのジャッジ選手の19本で、3位には昨シーズン、ホームラン37本のアストロズの強打者、アルバレス選手が17本で続いています。
ただ、ジャッジ選手は右足の親指を痛めて今月4日から、アルバレス選手は右の脇腹の違和感で今月9日から、それぞれ10日間のけが人リストに入っていて、現在は戦列を離れています。

ジャッジ選手は最短で14日の試合から復帰できますが、ヤンキースのブーン監督は復帰の時期を明言しておらず、アメリカのメディアも「最短で復帰する可能性は低い」などと伝えています。
また、アルバレス選手についても球団のゼネラルマネージャーは復帰時期を明言しておらず、地元メディアも最短での復帰は難しいという見方を示しています。

一方、大谷選手は今月に入ってバッティングが絶好調で、6月は46打数18安打の打率3割9分1厘、ホームラン5本、12打点と一気に成績を伸ばし、ライバル2人を抜き去りました。

大谷選手はホームラン46本を打ちシーズン終盤まで激しくホームラン王を争ったおととしも6月に13本のホームランを打って自身初の月間MVP=最優秀選手を受賞していて、ライバル不在の間にどこまで差を広げられるか注目です。

試合後、6月に好調な理由を聞かれた大谷選手は「バッティングの悪いところの改善は、基本的にシーズンが進んでいった方が打席での慣れも含めて良くなるのではないかと思う。いい月がかぶっているのはたまたまだと思うが、オールスター前の大事なところではあるので、まだまだ上げていけるように頑張りたい」と話していました。

【試合後 一問一答】

大リーグ、エンジェルスの大谷翔平選手が11日のレンジャーズ戦に2番・指名打者で出場し、ホームラン2本の大活躍で延長戦までもつれた試合の勝利に貢献しました。
6月は早くもホームラン5本で、今シーズン20号としてリーグ単独トップに立ちました。試合後、日米メディアの取材に応じた大谷選手は、試合の行方を左右する状況で打てたことを喜んでいました。

その一問一答です。

Q.最近打席で好調だが、きょうはどうだったか?

A.きょうも、ボールの見え方も良かったですし、結果も良かったと思ってます。

Q.チームの現在の状況をどう解釈しているか。

A.敵地でのここの4連戦は、やっぱりみんな気合い入っているんじゃないかと思うので。その初戦を取れたというのは勢いにつながるんじゃないかと思ってます。

Q.同点弾と勝ち越し弾。この2本を打った気持ちは?

A.そうですね。打ってるシチュエーションが良かったので、なおさらにうれしいかなと思いますし。初戦大事だと思うので。中継ぎもみんな頑張ってますし、守備も良かったので、なんとか勝てて良かったかなと思います。

Q.オールスターゲームのファン投票、中間発表でもリーグ1位だった。

A.本当ありがたいですし、それにふさわしいような内容を続けられるように頑張りたいなと思います。

Q.6月は総じてバッテイングの調子がいいが、どんな理由があるのか。

A.4月・5月を、まあいい悪いあると思いますけど。なんて言うんですかね、バッティングの悪いところの改善だったりとかというのはまあ、基本的に(シーズンが)進んでいった方が打席の慣れも含めて良くなるのではないかなと思うので。まあいい月がかぶっているというのはたまたまだと思いますけど。

オールスター前、大事なところではあると思うので、まだまだ上げていけるように頑張りたいなと思います。