関西電力社長 福井県知事と面会“原発使用済み燃料 一部搬出”

関西電力の森望社長は12日、福井県の杉本知事と面会し、県内の原子力発電所から出た使用済み燃料の一部をフランスに搬出する計画を伝えました。森社長は、使用済み核燃料を福井県外へ搬出するという県との約束を果たしたという考えを示しましたが、大半は搬出の見通しが示されず、杉本知事は態度を保留しました。

関西電力の森社長は12日、福井県庁で杉本知事と面会し、高浜原発3・4号機で実施している、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを再び利用する「プルサーマル発電」で使った燃料のうちおよそ10トンと、ほかの使用済み核燃料およそ190トンを、2020年代後半までにフランスに搬出し、再処理する計画を伝えました。

福井県は関西電力に対し、県内の原発に保管されている使用済み核燃料を県外に搬出するよう求めていて、関西電力は搬出先となる「中間貯蔵施設」の候補地をことし中に確定させると約束しています。

これについて森社長は、今回、一部の搬出先が決まったとして「中間貯蔵施設と同等の意義があり、福井県との約束はひとまず果たされた」と述べました。

ただ、搬出されるのは、関西電力が福井県内で保管している使用済み核燃料の5%ほどで、大半は搬出の見通しが示されませんでした。

面会のあと、杉本知事は、関西電力の考えを受け入れるか問われたのに対して「国や原発が立地する自治体の意見なども聞いたうえで総合的に判断したい」と述べるにとどめ、態度を保留しました。