サッカー女子ワールドカップ【全歴史】なでしこジャパンの戦い

日本代表の「なでしこジャパン」はサッカー女子ワールドカップに第1回大会からすべての大会に出場し、2011年の第6回大会で世界の頂点に立ちました。

これまでのすべての大会を振り返ります。

【過去8大会の優勝は?】

これまでの8回の大会の優勝回数は
▽アメリカが4回でトップです。
過去8大会ですべて3位以上と女子のサッカー界で女王として君臨しています。

▽ドイツが2回。第4回と第5回大会で連続優勝を果たしました。

▽このほかノルウェーと日本が1回で、過去に優勝したのは4チームだけです。

【第1回 中国大会(1991年)】

▽優勝:アメリカ(初)
▽準優勝:ノルウェー
▽3位:スウェーデン

第1回大会は1991年、12チームが参加して行われました。日本は1点も奪えず、1次リーグで3連敗を喫して敗退しました。

<1次リーグ>
▽日本0-1ブラジル
▽日本0-8スウェーデン
▽日本0-3アメリカ

【第2回 スウェーデン大会(1995年)】

▽優勝:ノルウェー(初)
▽準優勝:ドイツ
▽3位:アメリカ

1995年の第2回大会は1次リーグ第2戦のブラジル戦でワールドカップ初勝利をあげ、8チームで争う決勝トーナメントに初めて進み、ベスト8に入りました。

<1次リーグ>
▽日本0-1ドイツ
▽日本2-1ブラジル(初勝利)
▽日本0-2スウェーデン
<準々決勝>
▽日本0-4アメリカ

【第3回 アメリカ大会(1999年)】

▽優勝:アメリカ(2回目)
▽準優勝:中国
▽3位:ブラジル
第3回のアメリカ大会では出場チームが4チーム増え、16チームが出場しました。日本は1次リーグの初戦でカナダと引き分けましたが、その後、2連敗で勝利をあげることができず決勝トーナメントには進めませんでした。

<1次リーグ>
▽日本1-1カナダ
▽日本0-5ロシア
▽日本0-4ノルウェー

【第4回 アメリカ大会(2003年)】

▽優勝:ドイツ(初)
▽準優勝:スウェーデン
▽3位:アメリカ
カナダ戦で先制ゴール 澤穂希選手
第4回のアメリカ大会では、日本は初戦のアルゼンチン戦で大勝しましたが、その後、2連敗で、1次リーグ敗退となりました。

<1次リーグ>
▽日本6-0アルゼンチン
▽日本0-3ドイツ
▽日本1-3カナダ

【第5回 中国大会(2007年)】

▽優勝:ドイツ(2回目)
▽準優勝:ブラジル
▽3位:アメリカ
ドイツ戦 攻め込む 澤穂希選手
中国で開かれた第5回大会では、初戦のイングランド戦を宮間あや選手の2得点で2対2で引き分け、続くアルゼンチン戦を試合終了間際の永里優季選手のゴールで1対0で勝ちました。ただ第3戦で優勝したドイツに0対2で敗れ、1勝1敗1引き分けで3大会連続で決勝トーナメント進出はなりませんでした。
<1次リーグ>
▽日本2-2イングランド
▽日本1-0アルゼンチン
▽日本0-2ドイツ
感謝の意を込めた“謝謝”の横断幕

【第6回 ドイツ大会(2011年)】

▽優勝:日本(初)
▽準優勝:アメリカ
▽3位:スウェーデン
日本は佐々木則夫監督のもと、体格やパワーに勝る欧米勢に対抗するため、速いパス回しと運動量で相手を上回るパスサッカーを強化しました。2008年の北京オリンピックでは4位に入ってメダルまで、あと一歩のところまで近づき、その2年後にはアジア大会で初優勝して世界ランキングを4位まであげました。
澤穂希選手(後列 1番左)宮間あや選手(前列・左から2番目)
そして2011年ドイツで開かれた第6回大会は、澤穂希選手や宮間あや選手などを中心に磨いてきたパスワークを生かし、欧米の強豪に対抗して4大会ぶりに決勝トーナメントに進みました。
丸山桂里奈選手が決勝ゴール
準々決勝では3連覇を目指す地元・ドイツと対戦し、0対0のまま延長に入った試合でキャプテンの澤穂希選手からのパスを受けた途中出場の丸山桂里奈選手が決勝ゴールを決め、6回目の出場で初めてベスト4に進みました。

そして準決勝でスウェーデンに3対1で勝って決勝に進みました。
決勝では1回も勝ったことがないアメリカとの対戦でした。

試合はアメリカに先制されましたが、後半、宮間選手のゴールで1対1の同点に追いつき、延長に入りました。
延長後半に同点ゴール 澤穂希選手
そして再びアメリカにリードされますが、延長後半に宮間選手のコーナーキックから澤選手が角度のないところから直接、押し込み、2対2の同点に追いつきペナルティーキック戦に入りました。
GK海堀あゆみ選手が好セーブ
ペナルティーキック戦ではゴールキーパーの海堀あゆみ選手が相手のアメリカの1人目の選手のキックを右足で止めて流れを引き寄せました。
そしてアメリカをペナルティーキック戦の末退けて初めての優勝を果たしました。
キャプテンの澤選手は大会の得点王に輝くとともにMVP・最優秀選手に選ばれました。
澤穂希選手と佐々木則夫監督
<1次リーグ>
▽日本2-1ニュージーランド
▽日本4-0メキシコ
▽日本0-2イングランド
<準々決勝>
▽日本1-0ドイツ
  (延長)
<準決勝>
▽日本3-1スウェーデン
<決勝>
▽日本2-2アメリカ
 (PK3-1)

【第7回 カナダ大会(2015年)】

▽優勝:アメリカ(3回目)
▽準優勝:日本
▽3位:イングランド
世界一となったワールドカップの翌年のロンドンオリンピックでは決勝でアメリカに敗れ銀メダルを獲得し、2015年にカナダで開かれた第7回大会は、佐々木則夫監督のもと、連覇を目指しました。前回大会よりも8チーム多い、24チームが出場しました。
前回大会を軸としたメンバーで臨み、1次リーグから、すべて1点差の接戦を制して6連勝で決勝まで勝ち上がりました。

決勝では再びアメリカと頂点を争いましたが、序盤から失点を重ね、2対5で敗れて準優勝となりました。
<1次リーグ>
▽日本1-0スイス
▽日本2-1カメルーン
▽日本1-0エクアドル
<決勝トーナメント1回戦>
▽日本2-1オランダ
<準々決勝>
▽日本1-0オーストラリア
<準決勝>
▽日本2-1イングランド
<決勝>
▽日本2-5アメリカ

【第8回 フランス大会(2019年)】

▽優勝:アメリカ(4回目)
▽準優勝:オランダ
▽3位:スウェーデン

カナダ大会のあと、澤さんが引退し、翌年、2016年のリオデジャネイロオリンピックは、出場権を獲得できず、佐々木監督が退任しました。
決勝トーナメント1回戦 オランダに敗戦
その後、世代交代が進み高倉麻子監督のもとで臨んだ2019年の第8回大会は、1次リーグを1勝1敗1引き分けで突破したものの、決勝トーナメントの1回戦でオランダに敗れました。
<1次リーグ>
▽日本0-0アルゼンチン
▽日本2-1スコットランド
▽日本0-2イングランド
<決勝トーナメント1回戦>
▽日本1-2オランダ

【なでしこジャパン 9回目のW杯へ】

さらに、おととし自国開催となった東京オリンピックも準々決勝で敗退しました。
池田太監督のもとW杯へ挑む
ヨーロッパの協会などが女子の強化に本腰を入れたため世界のレベルが上がる中で、20歳以下のワールドカップで優勝経験がある池田太監督がおととし就任。再び世界のトップに立つための強化に取り組み、去年、9大会連続でワールドカップ出場を決めました。

目標としているベスト4以上の達成に向けて、欧米の強豪とどれだけ渡り合えるかが勝ち上がるためのポイントとなります。