米 ユネスコ復帰表明へ 12日の臨時会合で正式に意向伝達で調整

アメリカが5年前に脱退したユネスコ=国連教育科学文化機関への復帰を近く表明する見通しであることがわかりました。フランスのパリにあるユネスコ本部で12日に開かれる臨時の会合で、正式に復帰の意向が伝えられる方向で調整が進められています。

アメリカはイスラエル寄りの姿勢を鮮明にしていたトランプ政権時代の2017年に、ユネスコについて「反イスラエル的だ」などとして脱退する意向を表明し、2018年に正式に脱退していました。

ユネスコの関係者によりますと、アメリカは近く、ユネスコへの復帰を表明する見通しであることがわかりました。

またアメリカ国務省の報道担当者はNHKの取材に対し「復帰の計画について、今月8日にユネスコに書簡を送った」と明らかにしました。

ユネスコの関係者によりますと、12日にパリにある本部で各国の大使を集めた臨時の会合が開かれることになっていて、アメリカの復帰の意向について正式に伝えられる方向で調整が進められています。

通常、ユネスコの事務局は会合を開く場合、事前に議題を各国に知らせますが、今回はそうした案内はなく、異例の対応が取られているということです。

アメリカのバイデン政権は国際協調の重視を掲げ、これまでにもトランプ政権時代に離脱した地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」や国連人権理事会などに復帰しています。