ウクライナ軍 領土奪還に向け反転攻勢本格化か 戦車部隊投入も
ウクライナ軍は、東部や南部でドイツから供与された戦車の部隊を投入するなどして、領土奪還に向けた反転攻勢を本格化させているという見方も出ていて、ロシア側との攻防が焦点となっています。
ウクライナ南部ヘルソン州では、カホウカ水力発電所のダムが6日、決壊して大規模な洪水が発生し、OCHA=国連人道問題調整事務所は、ウクライナ政府の情報としておよそ80の町や村で浸水の被害が報告され、多くの住民が影響を受ける可能性があるとしています。
一方、ウクライナ軍による反転攻勢の動きが本格化していて、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は8日、ウクライナ軍が少なくとも3つの地域で反転攻勢を開始しているとする分析を発表しました。
具体的には
▽東部ドネツク州のバフムト周辺や
▽ドネツク州の西部のほか
▽南部ザポリージャ州の西部の3つの地域をあげています。
このうち、ザポリージャ州の西部について「ウクライナ軍が8日にかけて局地的ではあるが顕著な攻撃を行い、ロシア軍が防御したもようだ」としたうえで「ウクライナ軍はまだ、大規模な予備兵力の一部しか投入していない」という見方を示しています。
また、イギリスの経済紙、フィナンシャル・タイムズはウクライナ側の軍関係者などの話として、ウクライナ軍が、ドイツ製の戦車を投入した最初の攻撃を行い、反転攻勢を本格化させているという見方を伝えています。
ロシア側の映像情報からドイツが供与した主力戦車「レオパルト2」の可能性があるということです。
そのうえで、専門家の分析として反転攻勢はザポリージャ州西部の拠点の1つ、トクマクを軸に行われているという見方を示しています。
トクマクを巡っては、ザポリージャ州の親ロシア派の幹部が8日「ウクライナ側がかつてない規模で、夜間、攻撃を行った」として、トクマクなどに対し、ウクライナ軍が戦車部隊で攻撃を行ってきたとしていて、ロシア側との攻防が焦点となっています。
一方、ウクライナの国家安全保障・国防会議のダニロフ書記は、反転攻勢が始まったという見方が相次いで出ていることについて「真実ではない」としていて、始まったかどうかは明確にしていません。