新型コロナに特化した初めての研究集会 研究者など約200人参加

新型コロナウイルス対策が大きく変わる中、今後も研究者どうしで最新の研究事情を共有して新たな知見につなげようと、新型コロナに特化した初めての研究集会が、東京都内で開かれました。

「新型コロナウイルス研究集会」は、ウイルス学者で東京大学医科学研究所の佐藤佳教授らが、国内で初めての新型コロナに特化した研究集会として開きました。

東京 渋谷で開かれた集会には、ウイルス学の研究者などおよそ200人が参加しました。

この中で、科学を題材にした小説やノンフィクションを手がける作家の瀬名秀明さんが講演し、今回のパンデミックについて状況が次々に変化し、未来を見通すことは難しかったと振り返ったうえで、今後の研究のあり方について「中長期的な観点や社会全体への影響といった広い視点で考えるために『総合知』という発想が重要だ」と提言しました。

そして、新型コロナを巡っては、誤った情報を信じ込む人がいたり、意見の集約が難しい問題が見られたりしたとして、研究者も「総合知」の発想で市民や社会との向き合い方を考えてみてほしいと呼びかけました。
佐藤教授は「次のパンデミックに備えるためにも、新型コロナ研究を下火にしてはならない。こうした場を通じて研究を発展させていきたい」と話していました。