駐韓中国大使と韓国野党代表が会談

韓国に駐在する中国の大使が、韓国の最大野党の代表と8日夜に会談しました。韓国メディアは、中国大使が野党の代表と会談することでアメリカとの関係を重視するユン・ソンニョル(尹錫悦)政権の外交政策への不満を遠回しに示したのではないかという見方を伝えています。

韓国の通信社、連合ニュースによりますと、韓国に駐在する中国の※ケイ海明大使は、8日夜、韓国の最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)代表と、夕食をとりながら会談しました。

会談では、東京電力・福島第一原子力発電所にたまる処理水を基準を下回る濃度に薄めて海に放出する計画をめぐり、イ代表が「周辺国の懸念が高まっている」と述べたのに対し、ケイ大使は、「放出は極めて無責任な行為で、阻止しなければならない」と応じました。

中韓両国の間では、ことし4月、台湾をめぐる発言で互いを非難し応酬となりましたが、ケイ大使は「台湾は中国の核心的な利益の中の核心であり、韓国が尊重してくれることを願う」と述べました。

連合ニュースは、ケイ大使が与党よりも先に、野党の代表と会談を行ったと指摘していて、アメリカとの関係を重視するユン・ソンニョル政権の外交政策への不満を遠回しに示したのではないかという見方を伝えています。

一方、8日は、韓国に駐在する相星大使が韓国の与党「国民の力」の※キム・ギヒョン(金起●)代表と会談し、処理水を放出する計画をめぐり、「懸念の声があることは認識している」として、国民の理解が深まるよう取り組む考えを伝えたということです。

※ケイは「刑」のりっとうがおおざと
※キム・ギヒョン(金起●)●は「火へんに玄」