ASEAN 全加盟国が参加し合同軍事演習開催へ 南シナ海で9月にも

ASEAN=東南アジア諸国連合は、インドネシアで軍トップによる会議を開き、すべての加盟国が参加して、ことし9月にも南シナ海で合同軍事演習を行うことで一致しました。海上での警備や海難救助などで連携強化を図るのがねらいです。

この会議は7日、ASEANの議長国インドネシアのバリ島で開かれ、加盟国の軍トップらが参加して安全保障協力の在り方などについて議論を交わしました。

会議のあと記者会見したインドネシア軍のユド・マルゴノ司令官は「インド太平洋地域でASEANが防衛に取り組むことが重要だ。加盟国はこれまで実施したことのない演習を行うことで合意した」と述べ、すべての加盟国が参加して、ことし9月にも南シナ海の南の海域で合同軍事演習を行うことで一致したと明らかにしました。

演習を通じて海上での警備や海難救助などで連携強化を図るのがねらいで、ユド司令官はNHKの取材に対し「ASEANは地域の安定に向けて結束しなければならない。航路や空路が安全ならば繁栄がもたらされる」と述べました。

南シナ海をめぐっては、中国がほぼ全域の管轄権を主張する一方、フィリピンやベトナムなど一部の加盟国が中国と領有権を争っていて、ASEANは、ことし3月から南シナ海で紛争を防ぐためのルール策定に向けた議論を中国側と再開しています。