マイナンバーカード デジタル庁 システム改修方針も完了に時間

マイナンバーの公金受取口座に本人ではない家族名義とみられる口座がおよそ13万件登録されていたことが明らかになりました。デジタル庁は、システムの改修を行う方針ですが、完了までには時間がかかることから周知の徹底や強化がいっそう求められることになります。

マイナンバーとひも付けることで、国の給付金などを受け取れる公金受取口座をめぐっては、河野デジタル大臣が7日、子どもの親など本人ではない家族名義とみられる口座の登録が、およそ13万件確認されたことを明らかにしました。

デジタル庁は、本人名義以外の口座を登録できないようにするシステムの改修を行う方針です。

ただ、改修は再来年6月までのマイナンバーに関する改正法の施行にあわせて行われることから、完了までには時間がかかることになります。

その一方で、河野デジタル大臣は、口座の新規の登録手続きを停止する措置は行わない考えを示しました。

公金受取口座の普及を進めるため、登録した人にマイナポイントを付与する申し込みをことし9月末まで受け付けることになっていて、システム上は、本人以外の口座も登録できる状態が続くことになります。

デジタル庁には本人名義と異なる口座では給付金を受け取れない可能性があることなど周知の徹底や強化がいっそう求められることになります。

これまでのトラブル

マイナンバーカードをめぐっては、このほかにもトラブルが相次いでいます。

▽コンビニで住民票の写しなどの証明書を交付するサービスでは、別人の証明書が発行されたり、住所変更が反映されず古い証明書が発行されたりするトラブルが相次いで確認されました。

▽マイナンバーカードと一体化した健康保険証に他人の情報が登録されていたケースも明らかになっています。

▽マイナンバーカードの取得などでポイントがつく「マイナポイント」が誤って他人に付与されたケースも確認されています。

マイナンバーカードとは

マイナンバーカードは、国内に住む一人一人に12桁の番号を割りふるマイナンバー制度のもとで、2016年1月から交付が始まりました。

行政の効率化を目的に、国や自治体の社会保障や税などに関する情報をマイナンバーで管理し、情報の照合や入力などの時間や労力を削減することにつなげています。

マイナンバーは、これまで法律で社会保障と税、それに災害対策の3分野に利用できる範囲が限定されていましたが、今月成立したマイナンバーに関する改正法によって、▽自動車に関わる登録や▽国家資格の更新、▽外国人の行政手続きなどの分野にも利用できる範囲が広がります。

一方、マイナポイントは、キャッシュレス決済サービスで利用することができるもので、政府がマイナンバーカードの普及を進める目的で▽カードの取得や▽健康保険証としての登録、それに▽国からの給付金などを受け取る「公金受取口座」の登録の際にポイントを付与する制度を設けていました。