台湾 野党 民衆党 柯文哲氏「米日台高官による安保対話を」

来年1月の台湾総統選挙に立候補を予定している、前の台北市長で野党・民衆党のトップの柯文哲主席がNHKのインタビューに応じ、総統に当選すれば、アメリカと日本と台湾の高官による安全保障対話を定期的に行いたいという考えを示しました。

柯文哲氏は、来年の台湾総統選挙に向けて、与党・民進党、最大野党・国民党の候補者と並ぶ第3の勢力として注目されています。

柯氏は、今月4日から日本を訪れていて、麻生元総理大臣や野田元総理大臣をはじめとする与野党の国会議員と台湾海峡情勢について意見交換するなどしていて、7日、NHKのインタビューに応じました。

この中で柯氏は、李登輝政権時代には月に1回ほどのペースでアメリカと日本と台湾の高官が安全保障についての対話を行っていたと指摘し、「米日台の対話の枠組みは非常に重要だ。特に台湾と日本はもっと緊密につながるべきだ。台湾と日本に共通認識があればアメリカと共通認識を持つことも容易になる」として、総統に当選すれば、3者の高官による安全保障対話を定期的に行いたいという考えを示しました。

また、台湾も領有権を主張している沖縄県の尖閣諸島については「一般に台湾の人たちはこの土地が欲しいというわけではなく、そこで漁業ができればいいだけで、それなら日本と意見の一致をみられるはずだ。争いのない部分を先に解決し、争いのある部分はあとで処理する」と述べ、周辺の海域で台湾の漁船が今よりも操業しやすくなるよう、日本に一層の対応を求めました。

一方、中国との関係については「つきあいをしないのは口げんかをするよりもっと恐ろしい」と述べ、民進党政権のもとで途絶えている中国との公的な対話を再開する必要性を強調しました。

そのうえで「台湾人は政治制度と生活スタイルを自分で決めたい。これが侵害されないことを最低ラインとして中国と対話する」と述べました。