新潟 上越 貸しボート死亡事故 2審も市の責任認めず 東京高裁

新潟県上越市の公園で7年前に貸しボートが転覆し高校生が死亡した事故について、遺族が市などに賠償を求めた裁判で、2審の東京高等裁判所は1審に続いて市の責任を認めない判決を言い渡しました。

上越市の高田城趾公園で2016年に貸しボートが転覆し高校1年生の男子生徒が死亡した事故では、遺族が「安全管理を怠ったり、ボートを揺らしたりした責任がある」などと主張して、公園を管理する上越市と貸しボート店の経営者、それに同乗していた同級生に賠償を求めました。

1審の新潟地方裁判所高田支部は、市については訴えを退けた一方、貸しボート店の経営者と同級生に合わせて3800万円余りの賠償を命じ、遺族と貸しボート店側が控訴しました。

6日の2審の判決で、東京高等裁判所の土田昭彦裁判長は市の責任について「事故の前にも年に2、3件、利用者が転落する事故などが起きていて、何らかの規制権限を行使すべきだったとみることも考えられる」と指摘しました。

一方で「法律上、救命胴衣の着用は手こぎボートは対象とされておらず、事故以前には死亡するような重大事故も発生していない」として、救命胴衣を着用させていない貸しボート店の出店を許可したことは過失にはあたらないと判断し、訴えを退けました。

貸しボートの経営者については、定員3人を上回る4人に貸し出したことが死亡事故につながったと判断し、1審に続いて賠償を命じました。