電力大手 不正閲覧問題で5社の社長から聞き取り 経産省

電力大手の社員らが、子会社を通じて競合他社の顧客情報などを不正に閲覧していた問題で、経済産業省は業務改善命令を受けた電力会社や子会社、あわせて5社の社長から聞き取りを行い再発防止の取り組みを確認しました。

電力大手の社員らが、「新電力」と呼ばれる競合他社の顧客情報を不正に閲覧していた問題では、ことし4月、▽関西電力と九州電力、▽両社の送配電部門の子会社、それに、▽中国電力の送配電部門の子会社の5社が経済産業省から業務改善命令を受けました。

6日は、経済産業省の電力・ガス取引監視等委員会の幹部らが、各社が提出した業務改善計画を踏まえた再発防止の取り組みを確認するため、それぞれの社長と個別に面談しました。

はじめに、委員会の横山明彦委員長が「業務改善計画の十分性や実効性が担保されているか、組織のトップの考えを聞いたうえで確認したい」と述べました。

これに対して、不正に閲覧した情報を、会社の業務に利用することを組織として判断していた九州電力の池辺和弘社長は「不備や疑問を指摘する社員の声を吸い上げられなかったことが組織としての問題だった。再発防止策の実施にあたり、議論され改善される仕組みが重要と考える」と述べました。
また、情報管理体制に不備があった中国電力ネットワークの松岡秀夫社長は「行為規制を順守する意識が低かった反省を踏まえて、コンプライアンス最優先の経営を進めることを繰り返し伝えて、社員の意識向上に努めたい」と述べました。
一部の顧客情報を営業活動に使っていた関西電力の森望社長は「コンプライアンスの徹底を経営の大前提とした組織風土改革に取り組むなど、二度とこのような事態を起こさないように全力で取り組んでいく」と述べました。

経済産業省は、今後も各社への聞き取りなどを続け、法令順守のための体制の見直しを進めているのかなどの確認を行う方針です。