ガーシー元議員 被害者の家族に対しても中傷示唆し脅迫か

動画投稿サイトで著名人などを繰り返し脅迫したなどして逮捕されたガーシー元参議院議員が、被害者だけでなく家族に対しても中傷することを示唆して脅迫していた疑いのあることが警視庁への取材で分かりました。警視庁は、元議員が脅迫を繰り返した詳しいいきさつを調べています。

元参議院議員のガーシー、本名・東谷義和容疑者(51)は、去年2月から8月にかけて、3人の著名人や実業家について「爆弾はいっぱいあります。あす、暴露するネタは激震走ると思います」などと動画投稿サイトで発言して繰り返し脅迫したなどとして、暴力行為等処罰法違反の常習的脅迫などの疑いが持たれています。

警視庁は、元議員の認否を明らかにしていません。

この事件で、元議員は、去年8月に投稿した動画で実業家の1人について、「家族がいてアキレスけんを持っているお前らは俺には絶対勝てない」とか、「俺はひぼう中傷も暴言もOKと思っている人。だからそれをお前らの家族にも向けて」などと発言していたことが警視庁への取材で分かりました。

実業家の家族に対しても中傷することを示唆して脅迫していた疑いがあるということです。

警視庁は元議員が脅迫を繰り返した詳しいいきさつを調べています。

4日の帰国 “急転直下”の展開

ガーシー元参議院議員をめぐっては、ことし3月に警視庁が逮捕状を取って以降、外務省がパスポートの返納命令を出したほか、国際手配の手続きもとられ、捜査幹部は「逮捕に向け徐々に外堀を埋めていきたい」と意欲を見せていました。

事態が動くきっかけになったとみられるのが、先月下旬、警察庁と警視庁の捜査員のUAE=アラブ首長国連邦への派遣です。

さまざまな手続きが取られる一方、本人が帰国する可能性は低いとみられていた中で、UAEに直接出向き、現地当局に元国会議員が関与した疑いが持たれている事件であることなどを説明し、捜査への協力を要請しました。
また、この間、国際手配については、現在の居場所など容疑者に関する情報を求める「青手配」から、容疑者の身柄の拘束を求める「赤手配」に切り替えていました。

捜査幹部は、こうした働きかけが功を奏したとみています。

さらに、警視庁の要請などによってSNSのアカウントが凍結され、元議員の発信の機会は大幅に減少していき、本人を取り巻く環境も変わっていきました。
ただ、4日の元議員の帰国は警視庁にとっても突然の展開だったと言います。

帰国を知らされたのは、4日当日の朝。警察庁を通じ「元議員を帰国させる」とUAEの現地当局から連絡があったということです。

捜査関係者によりますと、現地当局が元議員の身柄を拘束し、強制退去の処分を下したということです。
急転直下の展開は、元議員にとっても同様だったみられ、捜査幹部は「短パンにTシャツ姿で、着の身着のまま。帰国する格好ではないと思った」と話しています。

実際、元議員が帰国する際に所持していたのはスマホ1台だけだったということです。