天安門事件から34年 台湾で追悼の集会 香港では開催できず

中国の首都・北京で民主化を求める学生らの運動が武力で鎮圧され、大勢の死傷者が出た天安門事件から34年となった4日、中国本土や香港で追悼の動きが抑え込まれる中、台湾では市民団体などによって犠牲者を悼む集会が開かれました。

中国本土では天安門事件をめぐって、共産党と政府への批判が徹底して封じ込められ、公に語ることがタブー視されているほか、香港でも締めつけが強まり、追悼集会の開催ができない状況になっています。

一方、台湾では毎年追悼集会が続けられていて、4日は台北にある広場に市民団体や人権団体のメンバーに加えて市民が集まりました。

広場では、事件が起きた1989年6月4日にちなんで「8964」という数字がライトでかたどられたほか、午後8時9分になると、64秒間、犠牲者に黙とうがささげられていました。

また、広場には犠牲者の姿をモチーフに制作された像の複製が置かれました。

本物の像は香港大学に設置されていましたが、反政府的な動きへの取締りが強まるなか2年前に大学側が撤去し、先月警察に押収されています。

主催したNPO「華人民主書院」の曽建元理事長は「中国と香港の市民社会は完全に消滅してしまいました。台湾でしか追悼集会ができないので責任を感じています」と話していました。