
インド列車事故 鉄道相“運行システムに問題があった”
インド東部で2日、特急列車などが衝突して200人を超える死者が出た事故について、インドの鉄道相は、信号や線路を切り替える装置の変更が原因で起きたとして、運行システムに問題があったという見方を示しました。
インド東部のオディシャ州で2日、特急列車などが衝突した事故で、地元当局は、乗客など288人の死亡が確認されたほか、およそ900人がけがをしたとしていましたが、4日になって、死者の数に重複があったとして275人が死亡と訂正するとともに、1100人余りに上ったけが人のうち800人近くが退院したことを明らかにしました。
鉄道省のバイシュナブ鉄道相は4日、地元メディアのインタビューで「事故は電子連動装置の変更が原因で起きた」と述べ、運行システムに問題があったという見方を示しました。
この装置は、列車を安全に運行させるため、駅構内の信号機と複数の線路の切り替えをコンピューターで連動させるものですが、具体的にどのような変更が事故につながったのかは明らかにされていません。
また、鉄道相のもとに置かれている鉄道委員会は記者会見で「初期段階の調査で、信号機に問題があったことが分かった」と述べました。
その上で事故の状況については、南部チェンナイに向かっていた特急列車が、何らかの理由で本線ではないレールに進入したあと、止まっていた貨物列車に時速128キロで衝突して脱線し、その一部が前方から来た別の特急列車の後方に衝突したと説明しました。
事故のあった現場は、インドの東部と南部の大都市を結ぶ重要路線で影響が大きいことから、来年総選挙を控えるモディ政権は国民の不満が高まらないよう復旧作業などを急いでいます。
救助活動にあたった男性「爆発のような大きな音が聞こえた」
事故があった現場から数百メートル離れた場所に住み、すぐに現場に駆けつけて救助活動にあたったという20代の男性は「事故当時は自宅にいたが、爆発が起きたかのような大きな音が聞こえ、その方向に向かうと黒い煙が上がっていて、血を流している人たちがいた」とした上で「このような大きな事故が近くで起きることなど想像できなかった。事故で亡くなった人やけがをした人のことを思うと、心が痛い」と話していました。