インド列車事故 288人死亡 線路に誤進入し貨物と衝突 脱線か

インド東部で2日、特急列車が脱線したあと別の特急列車と衝突した事故で、現地の鉄道当局はこれまでに280人以上が死亡したと発表しました。

インドの複数のメディアは、最初に脱線した特急列車が誤って本来とは異なる線路に入り、停車していた貨物列車と衝突したことが脱線につながったとの見方を伝えています。

地元当局などによりますと、インド東部のオディシャ州で2日、走行中の特急列車が脱線したあと前方から来た別の特急列車と衝突しました。

現地の鉄道当局の発表によりますと、この事故でこれまでに乗客など288人の死亡が確認されたほか、およそ900人がけがをしたとみられ、周辺の複数の病院で手当てを受けているということです。

インド東部コルカタにある日本総領事館によりますと、これまでのところ日本人が巻き込まれたという情報は入っていないということです。

事故を受けて、インドのモディ首相は3日、事故現場を視察したほか、病院で手当てを受けている人たちのもとを訪れ、事故でけがをした人や遺族を支援する考えを示しました。

事故の詳しい原因は明らかにされていませんが、インドの複数のメディアは、最初に脱線した特急列車が何らかの理由で誤って本来とは異なる線路に入り、停車していた貨物列車と衝突したことが脱線につながったとの見方を伝えています。

インド政府は原因の究明を進める調査委員会を設置し、引き続き事故の詳しい原因を調べるとしています。

近所の男性「救助された人は『命を助けて』と泣き叫んでいた」

事故現場の近くに住み、救助活動にあたったという20代の男性は「けがをした多くの人たちが、泣いたりおびえたりしている様子を見て、私も怖くなりました。救助された人たちは『命を助けてほしい』と泣き叫んでいました。5人ほど救助しましたが、腕や足の骨が折れている人もいました」と話し、事故の悲惨な状況について証言しました。

また、近くに住む30代の男性は「こんなに恐ろしい事故に遭遇したことはありません。これまでにも事故の救助活動にあたったことがありましたが、これほど多くの命が1度に奪われる事故は初めてです」と不安そうに話していました。