米軍とカナダ軍の艦艇 台湾海峡通過 地域への関与示すねらいか

アメリカ海軍はアメリカとカナダの軍の艦艇が合同で台湾海峡を通過したと発表しました。中国が台湾への軍事的な圧力を強める中、この地域への関与は揺るぎないという姿勢を示すねらいがあるとみられます。

アメリカ海軍第7艦隊は、3日ミサイル駆逐艦「チャンフーン」とカナダ海軍のフリゲート艦「モントリオール」が合同で台湾海峡を通過したと発表しました。

アメリカ軍は中国が台湾への軍事的な圧力を強める中、定期的に海軍の艦艇を台湾海峡で航行させています。

第7艦隊は声明で「アメリカとその同盟国の自由で開かれたインド太平洋への関与を示すものだ」としていて、この地域への関与は揺るぎないという姿勢を示すねらいがあるとみられます。

台湾海峡をめぐっては、アメリカのオースティン国防長官がシンガポールで開かれている「アジア安全保障会議」で行った講演で「台湾海峡で紛争になれば間違いなく壊滅的な結果をもたらす。抑止力は強力であり、それを保つことがアメリカの役割だ」と述べ中国をけん制しました。

これに対し、中国軍のシンクタンク、軍事科学院の趙小卓研究員は国際会議の会場で取材に応じ「過去10数年、台湾海峡は比較的安定していたがアメリカがそれを壊そうとしている」と述べてアメリカ側を強く非難しました。

台湾海峡をめぐってアメリカと中国のせめぎ合いが続いています。

中国軍「あらゆる威嚇や挑発に断固として対応」

アメリカとカナダの軍の艦艇が合同で台湾海峡を通過したことに対し、中国軍で台湾方面などを管轄する東部戦区の報道官は、3日、談話を発表し「台湾海峡で故意にもめごとを起こすとともに悪意をもって地域の平和と安定を破壊し、『台湾独立』勢力に誤ったシグナルを送っている」と非難しました。

そのうえで「戦区の部隊はあらゆる威嚇や挑発に断固として対応し、国家の主権と安全、それに地域の平和と安定を断固として守る」と反発しました。