【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(3日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる3日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア外相 BRICS外相会議に出席 欧米対抗の動き活発化

アフリカを歴訪しているロシアのラブロフ外相は、今月1日から南アフリカのケープタウンで開かれたBRICS=新興5か国の外相会議に出席しました。

この中で、ラブロフ外相は、イランなどBRICSへの加盟に関心を示し友好関係にある国の外相とも2国間会談を行っていて、ウクライナに軍事支援を行う欧米側に対抗する動きを活発化させています。

ゼレンスキー大統領「反転攻勢の準備できている」

ウクライナ軍の参謀本部は3日、「過去24時間でロシア軍の巡航ミサイル15発とイラン製の無人機17機を破壊した」と発表し、先月以来、キーウなどを狙ったロシア軍の激しい攻撃が続く中、迎撃に成功していると強調しました。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、3日公開されたアメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」のインタビューで、領土奪還に向けた反転攻勢について「現時点でわれわれは準備ができている」と改めて強調しました。

そのうえで「必ず成功すると強く信じている。どれくらい時間がかかるか分からない。それらは完全に異なる、さまざまな方向に進む可能性がある」と述べ、反転攻勢は多方面で行われ、大規模なものになることを示唆し、その動向が焦点となっています。

キーウ ロシア軍の攻撃相次ぐ 市民の間に精神的・身体的な疲労

連日、ロシア軍のミサイルや無人機による攻撃が続く首都キーウでは、防空警報が出るたびに避難を余儀なくされる市民の間で精神的・身体的な疲労が募っています。
マリーナ・ムリャルさん(40)は、キーウ市内のアパートの最上階である12階に、夫と4歳と7歳の娘と住んでいます。

夜中に警報が鳴ると、これまでは寝室を出て窓がない廊下でマットを敷いて寝ていたということです。
しかし、ロシア軍の攻撃が相次ぎ子どもを含む犠牲者が出ていることや、最近になって、連日のように無人機が飛行する音や爆発音が聞こえるようになったことから、ムリャルさん家族は先月下旬からほぼ毎日、夜中に防空警報が鳴るたびに、地下の駐車場に避難しているということです。

ムリャルさんは「迎撃された兵器の破片が、最上階のこの部屋に落ちてくる危険があるため駐車場に避難するしかない」と話していました。
地下の駐車場には、およそ20人の住民がいすやマットレスを持って集まり、警報が解除されるまで避難しているということです。

ムリャルさんは夜中に避難した際、娘の1人を車の中に寝かせ、もう1人を抱えながら警報の解除を待つということで「空の攻撃が絶えず、子どもたちの身の安全が心配です。もう朝起き上がれない日があるほど、疲れ果てています」と話していました。

アメリカ政府高官 “核兵器管理でロシア・中国と協議の用意”

ロシアが核軍縮条約の履行を一方的に停止し、中国が核戦力を増強するなか、アメリカ・ホワイトハウスの高官は、両国と核兵器の管理をめぐって無条件で協議に臨む用意があるとして対話を呼びかけました。

アメリカ、ホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官は2日、首都ワシントンのシンクタンクのイベントで講演しました。

サリバン補佐官は、ロシアが核軍縮条約「新START」の履行を一方的に停止したことや、中国が核戦力を増強していることなどを挙げ「冷戦後に構築された核体制に入ったひびは大きく、深い。人々を核の脅威から守るために新たな戦略が求められる時代に突入した」と述べました。

そして「アメリカとしては、核戦力の数を増やす必要はない」と述べ、競合国との軍拡競争ではなく、核兵器の近代化や最先端の通常兵器の開発を通じて効果的に抑止力を維持していくことができると説明しました。

さらに核兵器の管理をめぐって「われわれはロシアや中国のそれぞれと無条件で協議に臨む用意がある」と述べ両国に対して対話を呼びかけました。

また、サリバン補佐官は、核兵器の管理をめぐる透明性を向上させるため、アメリカ、ロシア、中国にイギリスとフランスを加えた核を保有する5か国で協議する必要性を強調しました。

ロシア西部で攻撃続く 義勇兵組織が関与主張

ウクライナ空軍は2日、首都キーウなどでロシア側から飛来したイラン製の無人機21機と巡航ミサイル15発を迎撃したとして「ウクライナの防空は再び成功した」と強調しました。

一方、ロシア各地の当局によりますと、2日、ウクライナと国境を接する西部のクルスク州でビルなどが複数の無人機の攻撃を受けたほか、ブリャンスク州では2つの村がウクライナ軍の砲撃を受けたとしています。

また西部ベルゴロド州の知事は、1日から2日にかけてウクライナ側から激しい砲撃が繰り返され、2人が死亡したほか複数のけが人が出ていると発表し、プーチン政権に反対するロシア人などの義勇兵を名乗る2つの組織が関与を主張しています。

プーチン大統領 “あらゆる手段で阻止を”

ロシアのプーチン大統領は2日、安全保障会議を開き「悪意ある者たちがロシア国内を揺るがそうとしている」と指摘しました。

その上で、こうした事態をあらゆる手段を講じて阻止するよう治安機関のFSB=連邦保安庁の長官や内相に指示するなど、危機感を募らせていることをうかがわせています。

イギリス国防省は2日「ロシア軍は自国の国境地域か、ウクライナ占領地域か、どちらの防衛を強化するかという深刻なジレンマに直面している」と分析しています。

ゼレンスキー大統領 シェルターの常時利用を示す

ウクライナの首都キーウ市内で1日、ミサイルの破片が落下し、子どもを含む3人が死亡しましたが、地元住民などによりますと、防空警報が鳴ったことを受けてシェルターに避難しようとしたもののドアが開かず、その間にミサイルの破片が落下してきたということです。

ゼレンスキー大統領は1日、自身のSNSでロシアによる攻撃を非難した上で「市民がシェルターに来たのに閉鎖されているようなことは二度と起きてはならない」と述べました。

そして「シェルターが24時間確実に利用できるようにすることは、地方当局の明確な義務だ。もし現場で義務が果たされないのであれば、それを罰するのが法執行機関の直接的な責任だ」としてシェルターの管理態勢を強化する考えを示しました。

シェルターは、ウクライナ国内の宿泊施設や店舗、学校などに設けられていて地元メディアは1日、キーウ市当局の話として市内には強度や安全性などが確認されているシェルターはおよそ3500か所あると伝えています。

米高官 中国とロシアに核兵器管理めぐる協議呼びかけ

ロシアが核軍縮条約の履行を一方的に停止し、中国が核戦力を増強するなか、アメリカ・ホワイトハウスの高官は、両国と核兵器の管理を巡って無条件で協議に臨む用意があるとして対話を呼びかけました。

アメリカ、ホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官は2日、首都ワシントンのシンクタンクのイベントで講演しました。

サリバン補佐官は、ロシアが核軍縮条約「新START」の履行を一方的に停止したことや、中国が核戦力を増強していることなどを挙げ「冷戦後に構築された核体制に入ったひびは大きく、深い。人々を核の脅威から守るために新たな戦略が求められる時代に突入した」と述べました。

そして「アメリカとしては、核戦力の数を増やす必要はない」と述べ、競合国との軍拡競争ではなく、核兵器の近代化や最先端の通常兵器の開発を通じて効果的に抑止力を維持していくことができると説明しました。

さらに核兵器の管理を巡って「われわれはロシアや中国のそれぞれと無条件で協議に臨む用意がある」と述べ両国に対して対話を呼びかけました。

また、サリバン補佐官は、核兵器の管理をめぐる透明性を向上させるため、アメリカ、ロシア、中国にイギリスとフランスを加えた核を保有する5か国で協議する必要性を強調しました。