ロシア軍 自国と占領地域の防衛でジレンマか 国境で相次ぐ攻撃

ロシアでは、ウクライナと国境を接する地域で砲撃や無人機による攻撃が相次いでいて、戦況を分析しているイギリス国防省は、ロシア軍が自国の国境地域とウクライナの占領地域のどちらの防衛を強化するか、ジレンマに直面していると分析しています。

ウクライナ空軍は2日、首都キーウなどで、ロシア側から飛来したイラン製の無人機21機と巡航ミサイル15発を迎撃したとして、「敵の攻撃は失敗に終わり、ウクライナの防空は再び成功した」と強調しました。

一方、ロシア各地の当局によりますと、2日、
▽モスクワ州の西にあるスモレンスク州の燃料施設が2機の無人機の攻撃を受けたほか、
▽ウクライナとの国境に近い西部クルスク州でも、ビルなどが複数の無人機の攻撃を受け、
▽西部ブリャンスク州では、国境に近い2つの村がウクライナ軍の砲撃を受けたということです。

また、
▽西部ベルゴロド州では、これに先立つ1日にも、ウクライナ側から砲撃があり、州知事が2日になって女性2人が死亡したと発表していて、プーチン政権に反対するロシア人などの義勇兵を名乗る2つの組織が、攻撃への関与を主張しています。

戦況を分析しているイギリス国防省は2日、ロシア軍が国境防衛のために攻撃用ヘリコプターやロケットランチャーなど、多くの兵器を配備せざるを得なくなっていると指摘し、「ロシア軍は自国の国境地域か、ウクライナ占領地域か、どちらの防衛を強化するかという深刻なジレンマに直面している」と分析しています。